クリスマスの朝、6時過ぎ

父が入院している病院からの着信
容体が急変の知らせ

定時より1時間早く出社しているので
もう外出の仕度は出来ていた

車のキーとバッグを持ち
落ち着いてと言い聞かせて
家の中を確認

信号で止まるたびに
隣市の娘
隣市の実姉
大阪の娘へと連絡

父はモニターを付けられ
酸素吸入器を付け横たわる
酸素フォワードも血圧も低い

入院してから1ヶ月半
目に見えて弱っていった父

95歳
パイロットとして陸軍に志願
世界大戦を生き延び
母と巡り合い私達を育ててくれた
70歳を過ぎてから
カプチーノで母と日本中を旅してた

母はあの車は乗りにくい
と言いながら
亭主関白の父が
旅先では優しいと笑っていた

そんなことを思い出しつつ
父を見守りながら
上司に連絡つき次第
行くからと言う隣市の娘を待っていたが

そのまま目を開くことなく
静かに息を引き取った

主治医からは
年内かもと言われていたけど
新しい年を迎えて欲しかった

せめて新年の若水を
末期の水にと願っていたけど

クリスマスが命日なんて
無宗教の父らしい
それとも
お正月から縁起が悪いって
年を越さなかったのだろうか

通夜、葬儀を終え
会社最終日に出社

もしもの時にと
緊急時の手順書を作成していたので
被害?は最小限?
連休初日を休出して
なんとか整理出来た

まだまだ色々な手続きがあるけど
お正月連休は役所も休み

私も病院通いや
葬儀での疲れを癒している

姉や兄の子供達に
よく面倒見てくれた
おじいちゃんをありがとう
と言ってもらったけど
悔いは尽きない

この家での独り暮らしは初めて
私も独居老人の仲間入りだよ
と父母や夫に語りかけている