おはようございます。クリニック光のいずみ院長石川眞樹夫です。世界と未来に幸せと笑顔を増やすこと。子ども達の苦しみを取り除くことが私の使命です。
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ウイリアム・ショー博士の書籍「自閉症と広汎性発達障害の生物学的治療法」の2章から、自閉症児・発達障害児の腸内細菌叢の変化についてご紹介させて頂きます。
前章に引き続いて、乳幼児への頻繁な抗生剤の使用が腸内細菌叢に取り返しのつかないダメージを与える可能性について詳しい説明がなされています。
『母親が妊娠中に膣カンジダ症などの酵母菌感染症にかかると、発育中の胎児も、酵母菌に対して免疫寛容を得る可能性が高くなります。ある女性は妊娠中に重度の膣カンジダ症に罹患していて、生まれた女の子は口腔カンジダ症でした。この女の子はその後、自閉症と診断されました。』(妊娠中に抗生物質を使用することが、生まれて来る子ども達の自閉症リスクにつながる可能性があるのです。:石川眞樹夫付記)
小児科医の方々、家庭医の方々、小さなお子さんを育てているお母さん達に、ぜひお読み頂きたい内容です。
クリニック光のいずみ院長
自然療法医 石川眞樹夫
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動物で、腸内細菌への抗生物質等薬剤の影響について述べると、
ペニシリンの経口投与を受けたマウスの腸内では、善玉菌を中心とする嫌気性菌の総数が1000分の1に減少しました。また、幼生マウスに抗生剤を投与した後、マウスの腸内のカンジダは130杯増加しました。ステロイドの一種であるコルチゾン投与では、このカンジダの増加は8倍でした。
南カリフォルニア州のある病院では、1960年以前カンジダ症はまれな院内感染症でしたが、現在は病院における抗生剤の過剰使用の結果、カンジダ感染症は、5番目に多い院内感染症になっています。
抗生物質の投与により、このように増加した腸内カンジダ菌はしばしば腸内で腸管壁への侵襲性をもつコロニーを形成しますので、度重なる抗生剤投与を受けた子ども達の腸管壁は、カンジダの侵襲によって、スイスチーズのように沢山の穴があいた状態となり、ここから不消化の食物分子が血液中に流入する、
リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)
という状態をひきおこします。
自閉症・発達障害の子ども達の腸内細菌に関連して特徴的な検査データとして、尿中に排泄される異常な代謝産物があります。この代謝産物の代表的なものの一つがHPHPA(3-(3-ヒドロキシフェニル)ヒドロキシプロピオン酸)という物質です。
この物質は精神分裂病の患者さんの尿中でも増加がみられる物質で、これは酵母菌によってではなく、破傷風菌の仲間である「クロストリジウム属細菌」により作りだされる毒性物質です。
クロストリジウム属の菌の多くが、ペニシリン、アンピシリン、テトラサイクリン、セファロスポリン、クロラムフェニコールなどに耐性をもっており、一度腸内で増殖すると、排除が困難な菌のグループです。
いくつか報告されている症例として、
破傷風トキソイドを含む三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風ワクチン DPTワクチン)を接種した後に自閉症を発症した子ども達が報告されています。
このような子ども達では、破傷風菌に対しての抗体価が通常よりもかなり高くなっている事が確認されており、可能性としてはこのワクチンが何らかの刺激となって破傷風菌以外のクロストリジウム属菌が破傷風毒素を作るようになり、その毒素が自閉症症状を引き起こしたという事も考えられます。
残念ながら、クロストリジウム属に対しての特異的な抗生剤であるバンコマイシンやメトロニダゾールでの治療は、この菌群の除菌のためには一時的な効果しかありませんが、乳酸菌の1種である、ラクトバチルス・アシドフィリス菌を補給する方法で、クロストリジウム属のコントロールが出来る可能性があります。ラクトバチルス・アシドフィリス菌のサプリメントとしては、ラクトバシルスGG株のサプリであるCulturelle(カルチュラル)という製品(Vitamin Research Products社)が有効だというデータを提出している研究者もいます。
クロストリジウム属の菌が生成する異常代謝産物としては、HPHPAの他に、マウスに自閉症様症状を引き起こす3-ヒドロキシチロシンという物質も認められており、この物質は、脳内伝達物質であるドーパミンがノルエピネフリンに転化される経路を阻害して、ドーパミンニューロンが過剰刺激を受ける事になり、多動症や自閉症特有の各種症状に繋がっている可能性も認められています。
ここに述べた、クロストリジウム属の菌のコントロールの工夫として、ケリー・ドーフマンは、Biocidinというハーブ製品が有効だと報告しています。彼女は、1日1回夕食時に2滴のBiocidinが入ったフルーツジュースを与えることが、広汎性発達障害や自閉症の子どものHPHPAを減らすのに役立ったと報告しています。
ただし、このようなサプリメントや抗菌剤でクロストリジウム属のコントロールを試みた場合、ダイオフ反応(菌死滅反応)と呼ばれる治療に伴う一時的な症状の増悪がしばしば認められるので注意が必要です。ダイオフ反応は治療開始後3日から7日間ほど持続することが多く、子どもによっては数日間、身動きが出来ないほど怠さが増す場合もあります。ダイオフ反応の抑制には、粉末状の炭を併用するなどが役立つ場合もあります。
☆早期乳幼児期の抗生物質使用のリスクについて
動物を用いた腸内フローラの研究により、免疫システムは、自分自身の腸内細菌叢に対して、免疫寛容ともよばれる腸内細菌を攻撃しない状態を作る事がしられています。免疫システムは「胎児期から生後間もなくまでの時期に」体内の全細胞に対して自己細胞を自己として認識し識別を行い、自己細胞を攻撃しない態勢をつくりあげることが知られていますが、免疫システムは生後間もなくから3歳までの時期に、自分の腸内に生息している酵母菌や細菌に対してもこれを自己として認識する識別システムをもっおり、この識別はCD5+B細胞と呼ばれる免疫細胞集団により行われます。この細胞群は腸内へのIgA抗体の分泌を調整する役目も持っています。
乳幼児期の早期の段階で抗生物質使用により過剰に腸内細菌を排除した場合、このCD5+B細胞は正常な腸内細菌を自己として認識せず、本来であれば腸内でクロストリジウム属のコントロールや、カンジダ菌のコントロールに役立ったはずの正常腸内細菌を攻撃することにもなりかねないのです。
私は今まで多数の両親から、自閉症を持つ子ども達がとても長内時期に抗生物質投与を受けているという報告を聞いて驚いています。乳幼児期の抗生物質使用は、酵母菌(カンジダ菌など)や悪玉菌(クロストリジウム属の菌など)が、免疫耐性を得ることにつながると私は推測しています。
母親が妊娠中に膣カンジダ症などの酵母菌感染症にかかると、発育中の胎児も、酵母菌に対して免疫寛容を得る可能性が高くなります。ある女性は妊娠中に重度の膣カンジダ症に罹患していて、生まれた女の子は口腔カンジダ症でした。この女の子はその後、自閉症と診断されました。(妊娠中に抗生物質を使用することが、生まれて来る子ども達の自閉症リスクにつながる可能性があるのです。:石川眞樹夫付記)
