第5話・中編

悪辣な共犯者たちの決裂。エントランスの醜い罵り合い


「おい!! 玲奈!! お前、俺の妻と娘に何するつもりだ!!」


猛烈な勢いで割り込んできた拓也は、私と娘を背中にかばうようにして玲奈さんを怒鳴りつけた。

一見すると家族を守るヒーローのようだが、その目は自己保身と、自分を騙した女への私怨で血走っている。


「あら、拓也さん……? どの口がそんな格好良いこと言ってるのよ。あんた、私に鼻の下伸ばして『沙織とはもう離婚する』ってLINEしてきたの、忘れたわけ?」


玲奈さんは鼻で笑い、ボサボサの髪をかき上げながら拓也を睨み返した。


「うるさい! お前が俺を騙したんだろうが! 絶対に儲かる投資だって嘘ついて、俺たちのマイホーム資金の300万円を巻き上げやがって! お前のせいで俺の人生もめちゃくちゃだ! 詐欺師、早くその金を返せ!!」


「ハハハッ! バカじゃないの!? 騙される方が悪いのよ! あんたみたいな低年収の男が、ちょっと綺麗な女に優しくされたからって舞い上がって、自分の意志で通帳から金引き出してきたんでしょうが! 私の借金の足しになって光栄に思いなさいよ!」


薄暗いマンションのエントランス前に、二人の下劣な怒鳴り合いが響き渡る。

高級ワインを片手に、タワマンの最上階で「格が違う」と私を見下していた二人の、これが無残な成れの果てだ。


私は娘の耳をそっと塞ぎながら、ただただ冷え切った目でその光景を見つめていた。


「拓也さん、あんたが沙織さんに土下座して許してもらおうとしてるの、全部お見通しよ。でも無駄だから。あんたも私と同じ、地獄に落ちるのよ!」


「ふざけるな! 俺は沙織とやり直すんだ! お前みたいな犯罪者と一緒にされてたまるか!」


まだ自分は許されると思っている拓也。

そして、自分をこの地位まで引きずり下ろした私への逆恨みで狂う玲奈。


あまりにも醜悪なキャットファイトを前に、私は静かにスマートフォンを取り出し、すでに近くで待機してもらっていた「あの人」に連絡を入れた。


「佐藤先生、お願いします。……はい、二人とも揃っています」


私が通話を切ると同時に、マンションのロータリーに一台の黒いセダンが滑り込んできた。

ドアが開き、カチリと革靴の音を響かせて降りてきたのは、スーツを完璧に着こなした佐藤弁護士、そしてその後ろには、私たちが事前に通報しておいた地元の警察署の警察官たちの姿があった――。




💬 管理人コラム

第5話・中編をお読みいただきありがとうございました!

出ました!!元不倫相手&詐欺師同士の、目も当てられない醜い罵り合い!「騙される方が悪い」と開き直る玲奈さんもヤバいですが、「俺はやり直すんだ!」と必死に被害者面する拓也の図々しさにも、開いた口が塞がりませんね!どの面下げて言ってんだコラ!と言いたくなります!大ブーイングです!👎💢


しかし、沙織さんはそんな茶番に付き合うつもりは毛頭ありませんでした。満を持して登場した佐藤弁護士、そしてまさかの警察官の同行!


次回、第5話・後編(第5話完結編)では、このエントランスでの修羅場に完全なる終止符が打たれます。玲奈さんがついに連行され、拓也にも本当の絶望が突きつけられる、第5話のクライマックスをお見逃しなく!

「佐藤先生、警察の皆さん、お疲れ様です!」と思った方は、ぜひ『いいね』やコメントで沙織さんへエールを送ってくださいね!👇