第2話・後編

メッキが剥がれる女王。タワマン最上階のあまりに惨めな真実


翌週、私は拓也が大事そうにカバンに隠していた「投資の契約書」をこっそりコピーし、佐藤弁護士の事務所へと向かった。

頼れる戦友である佐藤弁護士は、私が持参した契約書と、探偵が調べ上げた玲奈さんの身辺調査の報告書を並べ、フッと冷たい笑みを漏らした。


「沙織さん、面白いことが分かりましたよ。この契約書にある玲奈さんのご主人のサインですが……完全に偽造されたものですね。フォントや筆跡の特徴が、彼が仕事で使っている本物のサインと全く一致しません」


「えっ……じゃあ、やっぱり架空の投資話なんですか?」


「ええ。それどころか、彼女のご主人はこの投資話のことも、玲奈さんが他人の夫から300万円を巻き上げたことも一切知りません。なぜなら、彼自身が『超』がつくほどのモラハラ気質で、玲奈さんには毎月最低限の生活費しか渡していないからです」


佐藤弁護士から明かされた「タワマンの女王」の真実。それは、SNSの華やかな世界からは想像もつかないほど、惨めで泥臭いものだった。


玲奈さんの夫は外資系の超エリートだが、家庭内では妻を「寄生虫」と呼び、家計の全権を握っているという。

それなのに、玲奈さんは周囲への見栄とSNSでのプライドを維持するために、ハイブランドの服を買い漁り、高級ケータリングでパーティーを開き続けていた。


その結果、彼女の裏の財布は複数の消費者金融からの借金と、限界寸前のリボ払いで火の車。

つまり、彼女が拓也に近づいた本当の理由は、単なる退屈しのぎの『底辺観察』だけでなく、自分の借金を穴埋めするための『本気の金づる』が必要だったからなのだ。


「他人の家庭を安物と見下しておきながら、自分は旦那さんに怯えて、借金まみれで自転車操業をしていたなんて……」


あまりのくだらなさに、怒りを通り越して乾いた笑いが出てくる。


「沙織さん、どうされますか? ご主人のサイン偽造、そして詐欺まがいの金銭搾取。これだけでも彼女の旦那さんにぶち撒ければ、彼女の家庭は一発で崩壊しますが……」


「いえ、先生。まだです」


私は静かに首を振った。

今バラせば、玲奈は夫に泣きつき、私の元夫になる予定の拓也を悪者に仕立て上げて逃げるかもしれない。


「彼女が一番恐れているのは、タワマンを追い出されること、そして何より『周囲のママ友たちに自分の惨めな正体がバレること』です。だったら、一番効果的な場所で、その仮面を剥ぎ取ってあげます」


私は佐藤弁護士と、次なる計画の手筈を整えた。

奪われた300万円をきっちり吐き出させ、あの傲慢な女王のプライドを根こそぎ叩き折るための、最初で最後の包囲網。


物語はいよいよ中盤、第3話へ――。

何も知らずに勝ち誇っている玲奈から、呼び出しの連絡が入ったのは、その翌日のことだった。


(第3話・前編へ続く)




💬 管理人コラム

第2話・後編を最後までお読みいただきありがとうございました!

タワマンの最上階で優雅に微笑んでいた玲奈さんの、あまりにもみっともない『裏の顔』がすべて白日の下に晒されました!自分の借金を隠すために、沙織さんの大切な貯金300万円を騙し取っていたなんて、どこまで腐っているんでしょうか!怒りで震えますね!ハサミでメッキをガリガリ削ってやりたい気分です!✂️


しかし、沙織さんの反撃のチェス盤はすでに動き出しています。焦って問い詰めるのではなく、相手が一番痛がる『社会的破滅』の瞬間を冷静に狙う姿、本当に頼もしいです!


次回からはついに第3話がスタート!

勝ち誇った玲奈さんから沙織さんへの、まさかの「宣戦布告ランチ」が幕を開けます。一体どんな泥沼の会話が繰り広げられるのか……!?

「沙織さん、徹底的にやっちゃって!」とスカッと展開を期待してくれる方は、ぜひ『いいね』やコメントで応援の声を届けてくださいね!👇