第7話(最終話)・中編
最後の爆弾。20年間の嘘を木っ端微塵にする真実
「それから、もう一つ伝えることがあるの」
私がテーブルに叩きつけた書類。それを見た健一の顔から、完全に生気が消え失せた。
そこに書かれていたのは、佐藤弁護士が義実家の自己破産関連の調査、および健一の過去の口座履歴を執念で遡って掴んだ、驚愕の事実だった。
「これ……なんで、美咲がこれを……っ!?」
「不思議に思う? あなたとお義母さんは、20年前の『実家の自営業の危機』を救うために健一が内緒で借金をして、それをずっと一人で返し続けていた、なんて美談に仕立て上げていたわよね」
私は冷たい怒りを声にのせて、一文字ずつ噛み締めるように言い放った。
「でもね、この記録を見て。実家の自営業の穴埋めに使われたのは、せいぜい最初の300万円だけ。残りの何千万円もの借金は、お義母さんの分不相応な『お買い物依存症』と、お義姉さんの『ホストクラブ通い』の補填じゃないの!!」
そうなのだ。夫の健一が20年間、我が家の生活費を削り、私を騙してまで作り続けていた借金の正体――。
それは、実家の危機などではなく、単なる義母と義姉の「底なしの浪費」の尻拭いだったのだ。
健一は、独身時代から母親と姉に「お前が助けてくれないと実家が潰れる」「家族を見捨てるのか」と脅され、洗脳に近い状態で貢ぎ続けていたのだ。
そして結婚してからも、私に真実がバレれば家族の恥が露呈する恐怖から、さらに嘘を重ねて借金を膨らませていた。
「俺だって、苦しかったんだ! 母さんも姉貴も、頼れるのは俺しかいないって泣きついてくるから……断れなかったんだよ! 家族を見捨てるわけにはいかなかったんだ!」
健一は頭を抱えて畳に這いつくばり、獣のように慟哭した。
「家族を見捨てるわけにはいかない?……じゃあ、あなたの本当の家族である『私』は、見捨てて踏み台にしても良かったわけ?」
私の冷徹な一言に、健一は声も出せずに硬直した。
そう、彼は歪んだ実家の身内を庇うために、20年間一番近くで支えてきた私を騙し、裏切り、最後には不倫女にまで逃げ道を求めて我が家を崩壊させたのだ。同情の余地など、一ミリも存在しない。
「もういいわ。すべてを理解した上で、改めて言うわね」
私はペンを掴み、彼の震える手に握らせた。
「今すぐサインしなさい。拒否するなら、お望み通りこの事実もすべて会社にぶち撒けて、自己破産すらできないように徹底的に追い詰めてあげる」
これ以上ない絶望の淵に立たされた健一は、嗚咽を漏らしながら、ついに離婚届の夫欄にその名前を書き込んだ。
ついに手に入れた、夫の署名捺印済みの離婚届。
私はそれを引ったくるように回収すると、一度も後ろを振り返ることなく、20年間過ごした家を後にした。
(第7話・後編(最終回結末)へ続く)
✒️ 管理人コラム
なんと……!20年間の隠し借金の「真の動機」がここで暴かれました!
美談なんかではなく、義母の買い物依存症と義姉のホスト通いの貢ぎ金だったという、どこまでも救いようのない最悪の真実でしたね。
そんな歪んだ身内のために、美咲さんとの生活を犠牲にしていた健一。自業自得の離婚届サインに、胸がすく思いです!
ついに離婚届を手にした美咲さん。物語はいよいよ次回、本当の本当に「最終回・後編」を迎えます!
すべてを失った夫と義実家の悲惨な末路、そして泥沼の過去をすべて精算した美咲さんが手に入れた「最高の未来」とは……?
全7話にわたる復讐劇の完全結末、最後までぜひ見届けてください!コメント欄での予想もお待ちしています!