第6話・中編
白昼の修羅場。同僚の前で剥がされる不倫女の仮面
「はじめまして、三浦香織さん。渡辺健一の妻です。お話があって参りました」
賑やかなカフェテラスの空気が、一瞬で凍りついた。
さっきまで楽しそうに笑っていた三浦香織の顔からは、瞬時に血の気が引き、持っていたフォークがカチャリと皿に落ちた。
「え、えっと……誰ですか? 人違いじゃないですか……?」
震える声で必死にシラを切ろうとする女。
隣に座る同僚の女性たちは、「え? 渡辺って誰?」「奥さんってどういうこと?」と、戸惑った顔で私たちと三浦香織を交互に見ている。
すかさず、私の隣にいた佐藤弁護士が、スーツの内ポケットから弁護士バッジを覗かせながら、冷静に書類を取り出した。
「三浦香織さんですね。私は渡辺美咲さんの代理人を務める、弁護士の佐藤と申します。人違いではありません。あなたが渡辺健一氏と不貞行為を行い、当家の生活費から多額の金品を貢がせていた件について、明確な証拠を元にお話を伺いに来ました」
『不貞行為』『貢がせていた』――。
弁護士の口から放たれたあまりに生々しい単語に、同僚たちの目が一気に点になる。
周囲の席の客たちも、何事かとこちらに買い始めた。
「な、何言ってるんですか! 私は何も知らないし、関係ないです! 営業妨害です、警察呼びますよ!」
三浦香織は真っ赤になって立ち上がり、バッグを掴んでその場から逃げ出そうとした。
「どうぞ、呼んでいただいて構いませんよ」
私は一歩も引かず、冷たい声で彼女を遮った。
「あなたが健一に『奥さんにバレたら離婚してもらえばいいじゃん』と唆していた音声も、ホテルの領収書も、あなたが買わせたブランド品のリストも、すべてここにあります。警察を呼べば、さらに大騒ぎになってあなたの立場が悪くなるだけですが、よろしいですか?」
そう言って、証拠写真の一部をテーブルの上にそっと置いた。
そこには、彼女が今まさに肩にかけているものと全く同じブランドバッグを、夫のカードで決済している瞬間の防犯カメラの映像(探偵が執念で押さえたもの)が写っていた。
「あ……、つ……」
同僚の一人が、テーブルの上の写真を見て、小さく悲鳴をあげた。
「香織、あんた……不倫してたの? しかも、相手のお金使い込んで……?」
「違うの! これは……!」
言い訳をしようとする三浦香織に、佐藤弁護士が最後通牒を突きつける。
「この場での混乱を避けたいのであれば、今すぐ場所を移して書面にサインをいただきましょう。拒否される場合、ただちにあなたの勤務先、およびご実家宛てに、慰謝料300万円の請求書一式を正式送付いたします」
現在の職場で泥棒猫としての正体をバラされ、完全に逃げ道を塞がれた三浦香織。
その目は恐怖と屈辱で激しく泳いでいた。
(第6話・後編へ続く)
✒️ 管理人コラム
スカッと展開が止まりません!あえて同僚の前で不倫の事実と貢がせの証拠を突きつけるという、美咲さんの容赦ない奇襲が見事に決まりました!
「警察を呼ぶ」と逆ギレした不倫女が、ブランドバッグの証拠写真を突きつけられて完全にフリーズするシーンは爽快ですね。
これで彼女は、現在の職場での信用も完全に失うことになります。自業自得とはまさにこのことです。
次回、第6話・後編では、場所を移した不倫女が最後の悪あがきを見せます。しかし、美咲さんにはさらなる「トドメの爆弾」が……!?
皆さんがもし美咲さんの立場なら、このまま会社に正式に報告しちゃいますか?それとも実家に請求しますか?ぜひコメント欄で意見を聞かせてくださいね!