【介護が終わったと思ったのに】義父の葬儀で始まった骨肉の争い――何もしなかった義兄夫婦が突然仕切り始めた日【第4話】

第3話の続きです。


介護生活は終わりが見えませんでした。


一年。


三年。


五年。


そして八年。


気付けば私の50代は介護中心の生活になっていました。


友人たちは旅行へ行く。


趣味を楽しむ。


孫の話で盛り上がる。


そんな姿を見ながら。


私は義実家と病院を往復する毎日でした。


そしてある冬の日。


ついにその時が訪れました。


■義父の死

義父が亡くなったのです。


長い闘病生活でした。


正直に言えば。


悲しみよりも先に。


大きな脱力感がありました。


終わった。


ようやく終わった。


そんな気持ちでした。


もちろん罪悪感もありました。


でも介護を経験した人なら分かると思います。


悲しみだけでは終われないのです。


介護する側も限界だったから。


■突然現れた義兄夫婦

義父が亡くなったという連絡をすると。


義兄夫婦はすぐに帰ってきました。


義妹夫婦も同じです。


そして。


驚くことが起きました。


今まで介護にほとんど関わらなかった義兄が。


突然仕切り始めたのです。


葬儀会社との打ち合わせ。


親族への連絡。


香典管理。


すべて自分が中心。


まるで長年支えてきた家族の代表のような顔をしていました。


私は複雑な気持ちでした。


なぜ今なのか。


なぜ介護中には来なかったのか。


■葬儀の席で

通夜の日。


親族が集まりました。


すると義兄嫁が。


親戚たちに話していたんです。


「お義父さんには本当にお世話になりました」


「最後まで家族みんなで支えましたから」


私は耳を疑いました。


みんなで?


本当に?


夜中の病院は誰が行ったの?


通院は?


排泄介助は?


食事の世話は?


その言葉が喉まで出かかりました。


でも私は飲み込みました。


義父の葬儀の場だったからです。


■義母の変化

義父を失った義母は憔悴していました。


しかし。


その一方で。


子どもたちが全員集まったことを嬉しく思っているようにも見えました。


久しぶりにそろった兄弟たち。


笑い声。


思い出話。


まるで介護の苦労など存在しなかったかのような空気。


私はどこか取り残された気持ちでした。


■聞こえてしまった会話

葬儀の翌日。


私は台所で後片付けをしていました。


すると隣の部屋から声が聞こえたんです。


義兄。


義妹。


そして義兄嫁。


話題は。


相続でした。


「家はいくらで売れるかな」


「預金はどれくらい残ってるんだろう」


「ちゃんと公平に分けないとね」


私は手を止めました。


まだ葬儀が終わったばかりです。


四十九日も迎えていない。


それなのに。


もう遺産の話。


私は寒気がしました。


■夫の表情

その夜。


夫も同じ話を聞いていたことが分かりました。


珍しく険しい顔をしていました。


そして言ったんです。


「嫌な予感がする」


私も同じでした。


介護の時は誰も来なかった。


でも相続になると全員が集まる。


そんな話を何度も聞いたことがあります。


まさか自分たちがそうなるとは思っていませんでした。


■新たな戦いの始まり

義父の死によって。


介護は終わりました。


しかし。


私たち家族を待っていたのは平穏ではありませんでした。


相続。


財産。


不公平感。


そして。


介護をした人間としなかった人間の温度差。


これから始まる争いは。


介護よりもさらに心を削るものになるのです。


(最終話へ続く)


■管理人より

介護が終わった後、多くの家庭で表面化するのが相続問題です。


介護の負担と遺産の分配は別問題とされますが、感情の面では割り切れないケースも少なくありません。


「介護には来なかったのに、相続の時だけ現れる」という声は本当に多く寄せられています。


■体験談募集

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・兄弟姉妹との遺産争い
・介護を巡る不公平感
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