【介護する人だけが損をする】退職した私を待っていたのは感謝ではなく、終わりの見えない地獄でした【第3話】
第2話の続きです。
夫の一言。
「仕事辞めたら?」
あの言葉から数か月後。
私は本当に退職しました。
二十年以上勤めた職場。
たくさんの思い出がありました。
送別会の日。
同僚たちは泣いてくれました。
「戻っておいでよ」
「無理しないでね」
そう言われた時。
私は初めて、自分が大切なものを失うのだと実感しました。
けれど。
その頃の私はまだ思っていたんです。
介護に専念できれば少しは楽になると。
しかし現実は逆でした。
■介護は24時間終わらない
仕事を辞めたことで。
私の生活は完全に介護中心になりました。
朝六時。
義実家へ向かう。
朝食の準備。
薬の確認。
洗濯。
掃除。
病院の付き添い。
昼食。
買い物。
夕食。
夜間の呼び出し。
そして翌朝。
また同じ一日。
休日という概念は消えました。
友人との約束もできない。
旅行なんて夢の話。
気付けば一年が過ぎていました。
■義兄夫婦の言葉
正月。
久しぶりに義兄夫婦が帰省しました。
私は少し期待していました。
大変だったね。
ありがとう。
そんな言葉を。
でも現実は違いました。
義兄嫁は義実家を見回して言ったんです。
「結構きれいじゃない」
「介護って思ったより楽そうね」
私は耳を疑いました。
楽そう?
夜中に何度も起こされ。
自分の人生を後回しにしているのに。
それでも私は笑いました。
何も言えなかったんです。
■義母の一言
さらに追い打ちをかけたのは義母でした。
ある日の夕食中。
義母が親戚に向かってこう言ったんです。
「最近の嫁は気が利かない」
「昔の人ならもっと頑張った」
その場にいた全員が私を見ました。
笑顔で言った義母。
悪気はなかったのかもしれません。
でも私は。
心の中で何かが切れました。
■誰も分かってくれない
帰宅後。
私は夫に話しました。
辛かったこと。
悔しかったこと。
悲しかったこと。
すると夫は。
「年寄りの言うことなんだから気にするなよ」
そう言いました。
またそれか。
私は絶望しました。
気にするな。
我慢しろ。
頑張れ。
誰も私を助けてくれない。
そう感じたのです。
■限界
介護生活は五年目に入りました。
義父はさらに弱り。
義母も足腰が悪くなりました。
介護対象が一人から二人へ。
私の負担は倍になりました。
ある日。
スーパーで買い物中。
突然涙が止まらなくなりました。
理由は分かりません。
ただ。
疲れていたんです。
誰にも言えないほど。
限界だったんです。
■介護する人だけが損をする
その頃の私は本気で思っていました。
介護する人だけが損をする。
時間を失う。
仕事を失う。
健康を失う。
自由を失う。
それなのに感謝されない。
私は後悔し始めていました。
あの日。
介護を引き受けたことを。
でも。
その数年後。
義父の死をきっかけに。
私たち家族はさらに大きな問題に巻き込まれることになります。
そして私は。
義家族の本当の姿を見ることになるのです。
(第4話へ続く)
■管理人より
介護の負担は、実際に経験した人にしか分からない部分があります。
特に介護離職をした方の多くが「社会とのつながりを失った」と感じるそうです。
介護する人だけに負担が集中する状況は、今も多くの家庭で起きています。
■体験談募集
・介護で辛かった出来事
・義兄弟との介護トラブル
・介護離職の経験
・誰にも理解されなかった介護生活
あなたの体験談をお待ちしております。
