三石巌:「健康ものしり辞典」、より

 体質とは身体の先天的特徴であり、DNAレベルで取り扱われるものである。これは私の考えだが、体質とは主酵素に対する助酵素(補酵素)の親和性に基づく性質としたい。
 助酵素として注目されるものは、実際上は「ビタミン」だが、これの主酵素に対する親和性の低い人はそのビタミンを大量に必要とする。そこで、結局は体質をビタミンの必要量の個体差に結びつけることになる。アメリカ人の場合、風邪を引かないために必要なビタミンCの必要量は250mg~10gであるという。このような個体差を、体質に結びつけたいのである。
 人間の身体はタンパク質でできていると言って良い。体重50kgの成人では17~18kgはタンパク質である。そのタンパク質のうち4~6kgは結合組織を構成し、8~12kgは酵素という見当で良かろう。平均値で言えば50kgの内30kgが水。17~18kgがタンパク質ということになるだろう。そして、糖質がちょっぴりということだ。
 生体では常に異化が起きているので、構造タンパクの材料も、酵素タンパクの材料も補給を要する。そこから、タンパク質も1日の必要量が割り出される。それは、成人では体重の1000分の1、子供や妊婦では50%増しという数字になる。ただし、プロテインスコア100の場合である。
 この必要量を満たす食事を「高タンパク食」ということにしている。平均的な日本人の食事は、間違いなしに「低タンパク食」であるからだ。
 高タンパクだと感染症、動脈硬化、胃下垂、貧血、リュウマチなどにかかりにくい。

 酵素がなければ、生命の実態である代謝は行われない。酵素はタンパク質であり、その構造が遺伝情報としてDNAに組み込まれているとすれば、タンパク質の補給に不足がない限り、代謝はスムーズに実現することになるはずだろう。
 酵素は一般に主酵素と助酵素という二つの部分をもっている。前者はタンパク質であり後者は非タンパク質である。
 DNAが記憶しているのは主酵素の構造のみである。従って、助酵素の補給は別途に計画されなければならない。その助酵素の主要なものはビタミンでありミネラルである。それは食品に加えなければならない。そこで我々はスムーズな代謝のためにタンパク質ばかりではなく、ビタミンやミネラルの摂取を考えなければならない。


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