「ルネサンスの歴史」という本の上巻を読み終わり
ました。この本は以前下巻のよく知っている人物の
部分を読んで、あまりの毒舌と皮肉に読む気をなく
したといういわくつきの本です(笑)。上巻の方もそれ
に負けず毒舌がすごいのですが、それでも途切れ
途切れながらも通して全部読むことができました。
本も映画も出会った時期がけっこう重要で、この本
などは皮肉や残酷描写がかなり出てくるので、若い
時だったら絶対受け付けなかったと思います。
歴史に対するイメージが変わりますので、若い人や
繊細な人にはお勧めできませんが、ある程度歴史に
詳しく、1つの信念や宗教に凝り固まった人でなけれ
ば、すごく興味深く読めるかもしれません。有名なダン
テやメディチ家のコジモ、ロレンツォなども結構辛辣に
書かれていますが、実際そのような部分はあったと
思います。ルネサンスというと商業が発展して芸術が
栄え、人間らしさが追求された時代と華やかにイメージ
しますが、その前の時代にはペストなど病気や貧困
を経験し、教皇庁もフランスへ移ったり分裂したりとメチャ
クチャ、権力を持った者が政敵や謀反を起こした者に対
する拷問や処刑もすさまじい時代でした。ヒューマニズム
と言ってもそれぞれの人間の命を大切にして人権が守ら
れていたわけではない、人文学者というのは古典を研究
した人であって、そうした教養があったり聖職者が必ずし
も慈悲深く寛大になっているわけでもなく、すさまじい報復
を行う、そんな時代だったのだとあらためて思いました。
ただ今日まで残って多くの人を感動させている芸術作品や
文芸、思想などは混沌とした時代の後や争いが続いている
その真っ只中に生まれているので、天才というのは平和で
生ぬるい時代ではなく、いつ死ぬかわからない混乱の時代
の方が多く生まれるのかもしれません。
宗教についても、聖職者の腐敗が激しく、異端の取り締まり
が厳しくなったのもこの時代です。弾圧が激しくなっても異端
の宗派の信仰を守ろうとする人は増え続ける、これはもともと
キリスト教が初期に激しい弾圧を受けて数多くの殉教者が出
たことと関係があるのでしょうか。どれほど酷い拷問や処刑が
行われても、殺される方も自分たちが正しくて救われると信じ
ているから信仰を捨てない、異端審問をする側は限りなく残酷
になっていきます。悲惨な病気になったり残酷な処刑がいたる
ところにあった時代だからこそ真剣に生きて天才が次々生まれ
才能を発揮した、そのようなことを考えました。