3次元の物質界は特異領域で、体験して味わうためのゲーム空間。最初の数千年は参加キャラクター達のレベルが低いので敵も弱く皆でわちゃわちゃやっているが、途中からチートやらバグやら廃課金やらで極端に強くなりゲームバランスが崩れ始める。強くなり過ぎると敵がいなくなり成長の楽しみも激減し、やっつけでタスクを熟(こな)すだけの作業ゲー・クソゲーに成り下がる。せっかく物質界に転生したのに自らゲームの醍醐味を潰してしまいリセットするしか無く、大陸を沈めてまでやり直したりする。生まれ変わる際「前世の記憶を持っていた方が続きから出来るので好都合では?」との質問が有るが、前述した通り魂の持ち込んだアバターが強くなり過ぎて全く楽しめず過去のデータを消去し再スタートしている。地球に来る魂は歴戦のゲーマーばかりでひたすら強く、ゲームにならないので有る。そんなゲームにもそろそろ飽きて来た地球人は、またしても盛大なリセットをやらかそうとしている。その前兆は世界中の出来事を見れば分かる筈。
近年の子供達が記憶を持った状態で生まれるのは、彼等は3次元ゲームをしに来た訳では無いから。
レベル99ステータスMAXでは冒険にならず毎日がつまらない。パワーのインフレで地球がどんどん高難易度になる。
ゲームに興味無い魂は最初から3次元物質界アプリなどインストールしない。結果、宇宙中のゲーマーが地球に集結し難易度を上げ過ぎて散々な目に遭っている。敵キャラが鬼ほど強く、モブですらボス並みで洒落にならない。運営に文句を言いたい所だが、全地球人でやらかした事なので誰をも責められない。
騒がしいのはゲーム画面の中だけだった。煩わしくも賑やかな世界を懐かしみ物質界へ戻る魂多数。
ゲーム画面の中と違って世界は静まり返っている。あなたが止まれば世界も止まる。あなたの動きに世界が同調する。世界とワルツを踊っている、別れのワルツを。3次元ゲームセンター、間も無く閉店。長年「蛍の光」だと思っていたのはここだけの話。
コツコツ経験値を貯めてレベルを上げたり入手アイテムをバージョンアップさせたり、地道な取り組みの楽しさを忘れてしまってはゲームと呼べない。ただの苦行。
物質界は体験ゾーン。難易度を上げ過ぎて酷い目に遭う地球人が後を絶たない。
「無双し過ぎて面白く無い」には笑った。山有り谷有りの波瀾万丈を求める我々。思考が見事に現実化している。