寝坊したためにノーメイクで出かけた関連病院見学の日。


この日は、腎臓移植手術を見学することになっていた。

なにしろピカピカの医学部1年生である、


手術見学は初めてなのだ。


なんとかギリギリで間に合って、

職員のみなさんにごあいさつしたところ…



ひとりの看護師さんが叫んだ



「あらあなた!

顔色悪いんじゃない?

だいじょうぶ!!」



いやあのその…



クラスメートも口々に、



「ほんとだ!

どうしたの顔色悪いよ!」



「調子悪いんじゃないの?」



などと言う。



いや、だから、私は

べつに何でもなくて、これが普通であって…


ちびまる子ちゃんに出てくる藤木くんくらい

クチビル青くっても、

それがデフォルトですから…

ちびまる子ちゃんの学級文庫 4
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株式会社 ビーケーワン
(↑まるちゃんの上にいるクチビルの青いヒトが藤木)

抗弁しようとしたそのとき、



お偉いドクターの、ツルの一声が。



「君は別室で休んでいなさい、

ムリしちゃいかん!」



………



抵抗したかったが、


みなの圧倒的な善意…顔色の悪い私を休ませようという

善意に屈し、私は看護師さんに腕をとられて、救護室へ。



必死で「なんでもありません!」と主張すれば、よかったのだろうが…

ドクターの微笑みには逆らえなかった…



看護師さんは、優しく私を横にさせ、


「ゆっくりしていなきゃ、ダメよ」


と微笑んで部屋のストーブをつけ、毛布をかけてくれた。





あ、書き忘れていたけどこれは初冬の出来事です。






私は横になりつつ


ほんとに調子が悪いのじゃないんだから、寝るもんか!


手術見学前に顔色悪かったら、医学部不適応と思われるのでは…


10分くらいしたら、もう治りましたと言って見学に混ざろう、


などと思っていたはずなのに…



意識が戻ったのは、




「実習はもう終わりよ、

少しは休めた?」



という、優しい看護師さんの声



えええ?!



そう、私は気づくと 爆睡 していたのである…!!




はるばる電車に乗って関連病院に行って、


ベッドで寝ていただけ



関連病院の、玄関と廊下と救護室しか見ていない。


もちろん手術見学はナッシング。



むなしい、むなしすぎる…。




帰りの電車で、

初めての手術見学体験に興奮するクラスメートたちが話をしていて

うらやましかった。


こんなことなら、家で寝過ごして休んでも同じだったではないか。


自分のアホさかげんを後悔しつつ帰宅すると、




さらなる悲劇が私を待っていた。




スッピンゆえに逆・わらしべ長者?

こんなひどい目に遭うなんて…につづく)