$言葉をつむぐ☆りゅういち




小学生の頃

父と母と二人の弟と

大濠公園のそばの一軒家に住んでいた

木造平屋の古い家


国家公務員の父が借りた家

庭には大きな二本のびわの樹があり

夏になると蝉が鳴いていた



大濠公園の花火大会がある日には

オジさんとオバさん

いとこが家に集まってくる


縁側からのんびりと花火を見ることができるからだ


小学生の僕にとって 

しあわせを感じる夜だった

きっと みんながしあわせだったのだと思う




時は流れ

僕が住んでいた大濠公園のそばの借家は

取り壊され

高層建築のマンション群が立ち並ぶ街へと変わった



花火大会の日には

公園に入りきれなかった人たちが

路上にあふれかえっている



庭から花火を眺めるという風情は消えてしまった



NHK福岡放送局では

いつの頃からか大濠公園の花火大会を生中継している


僕は部屋の明りを消して

テレビの音声を消して

テレビのなかの花火を見続けている


しあわせだった夏の夜を

思い出そうとして




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