
インターネットが普及する前の話
ニューヨークのイーストビレッジに僕はいた
日本の友や両親から届く手紙は
どんなに僕を勇気づけてくれたことだろう
あの頃僕はあるひとつの夢を抱いていた
日本を離れるときにある女性から渡された手紙を
何度も読みかえしていたことがあった
マンハッタンの夕陽を浴びながら
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とうとうあなたが日本をはなれる時が
きてしまったんですね。
この日がくるのをおそれていました、ずっと。
本当に行ってしまうんですね
私をおいて。
私もう泣かない。
だってあなたの素晴らしい未来のための旅立ちなんですものね。
そのためなら耐えます、どんなに悲しくても。
そしてあなたの幸福を心から願ってます。
私のような女がいたことを忘れてくださってもけっこうです。
けれども私の中にはいつまでもいつまでも
素敵なあなたが生き続けていくんです、きっと。
いつも優しかったあなたに
どうぞ お元気で いってらっしゃい
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彼女は
今どうしているのだろうか
ニューヨークでの孤独な魂を
手紙と国際電話でささえてくれたひとりの女性