犬が嫌い。
苦手なので、
犬には近づかなかった。
子犬でも。
知らない犬が近づいてきても、
知らんふりしていた。
愛想をふりまいてきても
無視していた。
友人の家に
ラッキーという犬がいた。
この友人は親友なので
よく家に行っていた。
家の中に入るためには、
ラッキーの前を通らなければ
ならない。
ラッキーはしっぽを振って、
私の足をペロペロしてくる。
うざかった。
だから無視した。
いつも。
ある時、友人の家に行ったが
あいにく不在だった。
少し待つことになった。
そのとき、ラッキーが目に入った。
私はフランクフルトを食べていた。
欲しそうに見ていたが、
私は無視した。
でもずっと見てる。
だから、一切れラッキーに向けて
投げた。
おいしそうに食べた。
それから、
急速にラッキーと仲良くなった。
散歩に行った。
ラッキーは自分が行きたいところへ
ぐいぐい引っ張る。
私はそうさせまいと、
反対の道へぐいぐい引っ張る。
反抗してくる。
でも私は「オレの方が偉いんだ」
と主張した。
ラッキーは私の言ううことを
よく聞くようになった。
親友の家は、私の家から
走って5秒ぐらいだったので、
毎日ラッキーと会った。
月日流れる。
友人は結婚し、
私は引っ越した。
ある日、友人から連絡がきた。
「ラッキーがひどく衰弱してる」
私はたまらず、様子を見に行った。
そこには、私の知らないラッキーがいた。
体は変わり果て、立つことすら
できず、横になっていた。
なでてやることしかできなかった。
次の日。ラッキーは安かに眠った。
いまだに私はラッキー以外の犬には、
人見知りではないが、犬見知りする。
ラッキーに聞きたい。
「オマエ、オレと出会って幸せやった?」
答えは分かっている。
でも聞いてみたい。
そして言いたい。
また会おうね。
犬が嫌い。
・・・嘘。
今は好き。
かわいいね。
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