他人に迷惑をかけてはいけない」の正体──自己責任社会を見直す視点 | ダブルケア・介護と子育てにがんばるあなたが気楽になれる場所

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15年の介護と子育てのダブルケアを経験した野嶋成美がダブルケアを楽にするヒント、孤独になりがちな毎日から解放されるヒントを、肩の力が抜ける遊び心を交え提案します。

 

こんにちは。

北海道札幌市の介護と子育ての同時進行・ダブルケア支援研究者の野嶋成美です。

 

 

 

 

「他人に迷惑をかけてはいけない」
「自分のことは自分でやりなさい」

 

 

こうした言葉は、多くの人が幼い頃から繰り返し聞かされてきたものでしょう。
これらは一見すると健全な社会をつくるためのしつけに思えます。
しかし、その価値観が過剰に内面化されていることで、個人が抱える困難を声に出せず、孤立する原因にもなっています。

 

 

 

 

現代の日本社会では、「自己責任」という言葉が強く根づいています。
失業、病気、家庭問題など、個人が直面するあらゆる課題に対し、「それは本人の努力不足」と片付けられることが少なくありません。
結果として、支援を求める行為自体が「迷惑をかけること」とされ、助けを求めづらい空気が生まれます。

 

 

しかし本来、社会とは相互扶助の仕組みによって成り立っています。
人が人に迷惑をかけることは、ある意味で自然なことであり、それを受け止め、補い合う仕組みこそが社会的連帯ではないでしょうか。

 

 

「他人に迷惑をかけない」ことが過剰に重視されると、困っている人が声を上げられず、見えない苦しみが放置されてしまう。
その結果として、社会全体が弱く、冷たくなっていくことは否めません。

 

 

たとえば、その一例が「ダブルケア」です。

 


子育てと介護など、複数のケアを同時に担う人たちがいますが、彼らが声を上げづらい背景にも、この価値観が影響しているのです。

ケアの責任が個人や家庭に押しつけられがちな現状のなかでは、「迷惑をかけてはいけない」という前提が、助けを求めることへの心理的ハードルになってしまう。

 

 

支え合いの仕組みが必要なのは、「誰もが迷惑をかける可能性がある」社会だからこそ。
その前提に立ち戻ることが、ダブルケアを孤立させない第一歩だと感じています。