親が同じ話を繰り返す理由とは?認知症だけじゃない心理と疲れない関わり方 | 囚われの人生からの脱出!もっと自由に生きる心理学〜命のちから心理セラピー講座〜インナーチャイルドセラピー

囚われの人生からの脱出!もっと自由に生きる心理学〜命のちから心理セラピー講座〜インナーチャイルドセラピー

東京池袋の隠れ家的一軒家セラピールーム。公認心理師常駐。インナーチャイルドカードを使って心と対話をする技術を教える活動を通じて、多くの人が幼少期の体験の影響を無自覚に今も受けていると知りました。。それに気づいてもっと自由に生きられるようサポートしています。

 

親や身近なお年寄りと関わる中で、
「さっきも聞いた話なのに……」
「また同じことを言っている……」
と、ついイライラしてしまうことはありませんか?

そしてそのあと、
「こんなふうに思うなんて、冷たいのかな」
と、自分を責めてしまう方も多いと思います。

 

サムネイル

私自身も、実の母を見送るまでの晩年、
この「同じ話の繰り返し」に何度も心が疲れていました。

 

高齢女性、帽子、編み物、人生の振り返り

 

 なぜ同じ話を繰り返すの?

 

お年寄りが同じ話を繰り返すとき、
多くの方がまず思うのは、

「認知機能が衰えて、話したことを忘れているのでは?」

という理由だと思います。

 

もちろん、それも一つの側面です。

でも、それだけだと思ってしまうと、
聞く側のしんどさは、なかなか軽くなりません。

 

サムネイル

心の奥にある“切実な理由”が隠れていることが多いんですよ。


① 人生を肯定するための
「お気に入りの物語」

 

年齢を重ねると、人は自然と
自分の人生を振り返る時期に入ります。

 

心理学ではこれを

「ライフレビュー」と呼びます。

 

お年寄りが繰り返し語る話は、

  • 楽しかった時代の話

  • 苦労したけれど乗り越えた話

  • 子育てや仕事の思い出

といった、その人にとっての
「お気に入りの物語」であることが多いのです。
 

それを語ることで、

  • 「私の人生には意味があった」

  • 「私はちゃんと生きてきた」

そうやって、
自分自身をもう一度肯定し直している側面があります。

 

② 安心感を得るため

衰えを感じ始めると

不安も増えていきます。
 

慣れ親しんだ話題を繰り返すことは、

  • 自分の知っている世界が、まだそこにある

  • 自分も、まだここにちゃんといる

そう感じるための、
心の“安全確認”のような行為でもあります。

 

③ 認めてほしいという気持ち

 

「そうなんだね」
「大変だったね」

そんな言葉は、
単なる相づちではありません。

 

それは、
「あなたの存在を大切に受け止めています」
というメッセージになります。
 

同じ話を繰り返す背景には、
認めてほしい、つながっていたい
という願いが含まれていることも多いのです。

 

高齢者の手、見守る優しさ

 

 私たちが疲れてしまう理由

 

同じ話がつらくなる最大の理由は、
私たちが会話を情報のやり取りとして受け取っているからです。

 

すでに知っている話が何度も繰り返されると、
脳は「不要な情報」と判断し

イライラが生まれます。

 

でも、お年寄りにとってその会話は、
情報ではなく心を落ち着かせるための行為
 

「何を言っているか」よりも、
「なぜ今、それを語っているのか」
に目を向けるだけで、
気持ちは少し楽になります。

赤い手編みハートを手に持つ

 心を守りながら関わるための3つのコツ

 

理解できたとしても、
ずっと聞き続ける必要はありません。

 

サムネイル

あなたの心を守ることも、とても大切です。

 

① 時間を区切っていい

「今は少しだけなら聞けるよ」

「今日はここまでにしようね」

 

そうやって、

時間を区切ることは、冷たさではありません。

 

② リアクションは同じでOK

毎回、完璧なリアクションをしなくてOKです。

「そうなんだね」
「大変だったね」

それだけで、相手の心は十分満たされます。

 

③ 内容より“気持ち”を見る

「またこの話」ではなく、

「この人はいま、安心したいんだな」

そう捉えられると、
イライラは少しずつ和らいでいきます。

白い壺にピンクの花と赤い実

親御さんの同じ話に疲れてしまうのは、
あなたが一生懸命向き合っている証拠です。

 

どうか、自分を責めないでくださいね。

 

私自身も、母の晩年、
同じ話にイライラしてしまった一人です。

 

今思えば、
もっと早くこの心理を理解できていたら、
もう少し楽に関われたかもしれません。

 

もし、繰り返しの頻度が極端で不安な場合は、
医療機関に相談することも大切です。

 

ただ、
すべてが「認知症」ではない
ということを知っているだけでも、
心の余裕は変わってきます。

 

サムネイル

このテーマについては、YouTube動画でも詳しくお話ししています。

 

文字よりも声で聞いた方が、
気持ちにすっと入る方も多いので、
よかったら家事や移動中に聞いてみてくださいね。

 

▼動画はこちら