1年前の6月17日。
愛する息子、
ななは虹の橋へと旅立ちました。

あの時、整理がつかず、
書けなかったことを
今日は書こうと思います。
---------------
2014年6月15日(日)
FIP疑いと診断され約3ヶ月。
この日の夕方から、
ななの病状は急激に悪化した。
病院のスケジュール表を確認。
この日の午前は診療していたが、
翌日は第三月曜、休診日だった。
タイミングが悪い。
2014年6月16日(月)
夜、諦めきれずに病院へと電話。
病院は先生の自宅を兼ねている。
失礼だと思いながら、
何度もコールし続けた。
先生が出てくれた。
電話で伝えられる限り、
ななの様子を伝えた。
「一度、腹水を抜きましょう」
「明日は来られますか?」
おかあは会議があり、休めない。
俺は午前には予定が入っているが、
午後ならどうにか調整できそうだ。
急遽、半休を取り、
病院へ連れて行くことにした。
その日の夜中、
初めてななが
俺の布団に入ってきてくれた。
2014年6月17日(火)
朝、出がけに2人で声をかける。
「待ってろよ、なな」
「待っててね、なな」
「ななをよろしくね、くう」
「病院、連れてってやるからな」
12時半に仕事を終わらせ、
俺は、急いで帰宅した。
ななはだるそうに、
リビングの端に体を横たえていた。
「なな、お水抜きに行こ」
「くう、留守番よろしくね」
ななをキャリーに入れる。
病院に行くのが分かるのか、
ななは少し嫌がった。
あまり揺れないよう、
細心の注意を払いながら
車を走らせた。
病院まで30分の道のり。
安全に、少しでも早く。
「頑張れ、なな」
「すぐに着くからな」
そう声をかけながら向かった。
14時、病院に到着。
診察台にななを乗せる。
検温してもらうと体温が低い。
続いて触診。
先生の表情が一瞬で曇った。
「腎臓がパンパンに腫れています」
予定されていたドレナージは
状態を悪くするだけと判断、
中止された。
「何でもかまいません」
「食べられる物を与えてください」
あと何日、
この子と一緒にいられるのだろう。
明日、仕事行きたくねぇな。
いや、まだこの子は生きてくれる。
そんなことを考えていた。
帰りの車の中、
ななはじっとして、
苦しそうに肩で息をしていた。
キャリーの隙間から
指を入れて、ななを撫でる。
「早くお家帰ろうね、なな」
自宅の駐車場に着く。
早歩きで、
それでもなるべく揺らさぬよう
慎重にななを運んだ。
部屋に入り、
すぐにキャリーを開けたが、
ななは出てこなかった。
出る体力も残っていなかった。
両手でななを抱え、
外に出すと、
ゆらゆらと歩き、
こてんと倒れるように横になった。
少しして、
ななはトイレに行こうとしたが、
辿りつけなかった。
俺はその時、
ななの明日は
もう来てくれないのだと直感した。
クッションの上に
おかあの匂いの残るタオルをかけ、
ななを寝かせた。
ななは、
おかあのことが大好きだった。
いつも寝るときは、
おかあの枕元で丸くなっていた。
おかあを近くに
感じさせてあげたかった。
ななの呼吸が
みるみるうちに浅くなる。
ほんの少しでもいい、
なるべく楽にいさせてあげたい。
先生に電話をかけた。
俺の声はうわずっていたと思う。
「うつ伏せにしてあげてください」
「その方が呼吸は楽にできます」
ななを抱え、
うつ伏せに寝かせ直した。
ななはじっと俺を見つめた。
ななに寄り添うように、
俺も横になった。
「おかあ、もうじき帰ってくるよ」
「頑張れ、なな」
そう言いつつも俺は、
苦しそうに喘ぐ
ななの顔を見ていられず、
一度、ベランダに逃げてしまった。
煙草を1本吸った。
「なんでだよ」
「まだ11ヶ月なんだぞ」
「神様、お願いだから」
「ななを連れてかないで」
俺は煙草をもみ消した。
空を見上げ、
フッと息を吐き、
自分の頬を一発強く張り、
覚悟を決めた。
俺は、ななの隣に戻った。
「ごめんな、なな」
「おとうは、もう逃げない」
「最後まで一緒だ」
病院から戻って約2時間。
おかあに会いたい一心からか、
ななは本当によく頑張った。
しかし、
とうとうその時は訪れた。
ハッと強く息を吐いた次の瞬間、
ななは俺へと視線を送った。
直後、瞳孔が散大した。
17時ちょうどだった。
「サヨナラ」
ななの声が聞こえた、
気がした。
ななを抱きかかえると、
俺は叫びまくった。
「なにがサヨナラだよ!」
「まだ逝っちゃダメだって!」
「おかあ、帰ってきてないよ!」
「戻ってこいよ、なな!」
「なな!」
「なな!」
「なな!」
もう一度、
ギュッと抱きしめてから、
静かに寝かせ、
ななに語りかけた。
「よく頑張ったね」
「偉かったね、なな」
「うちの子になってくれて」
「ありがとう」
くうがななに近寄り、
フンフンと匂いを嗅いだ。
くうも分かったのだろう。
ななの近くで
小さく体を丸めた。
左手でなな、
右手でくうを撫でながら、
俺は泣いた。
ほどなくして、
おかあから「帰ります」と
LINEが来た。
一瞬悩んだあと、
おかあに電話をかけ、
ななが旅立ったことを伝えた。
---------------
あの日、
なんとか助けてあげたくて、
ななを病院へ連れていきました。
あの容態で往復1時間も
車に揺られるということが
どれだけ辛かったか…。
無理に病院なんて連れて行かず、
家でゆっくりと
過ごさせてやればよかった。
そんな後悔が今もあります。
その選択をしていれば、
おかあは間に合ったのかも、と。
ななとおかあ、
もう一度、
会わせてあげたかったなあ。
今でも
ベランダで煙草を吸っていると
あの日のことが蘇り、
涙がこぼれてくることがあります。
あれから1年。
我が家には、
くうがいて、
はながいて。
そして、
目を閉じれば、
いつもなながいます。

この子たちに出会えてよかった。
私たちは、
きっと幸せです。
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愛する息子、
ななは虹の橋へと旅立ちました。

あの時、整理がつかず、
書けなかったことを
今日は書こうと思います。
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2014年6月15日(日)
FIP疑いと診断され約3ヶ月。
この日の夕方から、
ななの病状は急激に悪化した。
病院のスケジュール表を確認。
この日の午前は診療していたが、
翌日は第三月曜、休診日だった。
タイミングが悪い。
2014年6月16日(月)
夜、諦めきれずに病院へと電話。
病院は先生の自宅を兼ねている。
失礼だと思いながら、
何度もコールし続けた。
先生が出てくれた。
電話で伝えられる限り、
ななの様子を伝えた。
「一度、腹水を抜きましょう」
「明日は来られますか?」
おかあは会議があり、休めない。
俺は午前には予定が入っているが、
午後ならどうにか調整できそうだ。
急遽、半休を取り、
病院へ連れて行くことにした。
その日の夜中、
初めてななが
俺の布団に入ってきてくれた。
2014年6月17日(火)
朝、出がけに2人で声をかける。
「待ってろよ、なな」
「待っててね、なな」
「ななをよろしくね、くう」
「病院、連れてってやるからな」
12時半に仕事を終わらせ、
俺は、急いで帰宅した。
ななはだるそうに、
リビングの端に体を横たえていた。
「なな、お水抜きに行こ」
「くう、留守番よろしくね」
ななをキャリーに入れる。
病院に行くのが分かるのか、
ななは少し嫌がった。
あまり揺れないよう、
細心の注意を払いながら
車を走らせた。
病院まで30分の道のり。
安全に、少しでも早く。
「頑張れ、なな」
「すぐに着くからな」
そう声をかけながら向かった。
14時、病院に到着。
診察台にななを乗せる。
検温してもらうと体温が低い。
続いて触診。
先生の表情が一瞬で曇った。
「腎臓がパンパンに腫れています」
予定されていたドレナージは
状態を悪くするだけと判断、
中止された。
「何でもかまいません」
「食べられる物を与えてください」
あと何日、
この子と一緒にいられるのだろう。
明日、仕事行きたくねぇな。
いや、まだこの子は生きてくれる。
そんなことを考えていた。
帰りの車の中、
ななはじっとして、
苦しそうに肩で息をしていた。
キャリーの隙間から
指を入れて、ななを撫でる。
「早くお家帰ろうね、なな」
自宅の駐車場に着く。
早歩きで、
それでもなるべく揺らさぬよう
慎重にななを運んだ。
部屋に入り、
すぐにキャリーを開けたが、
ななは出てこなかった。
出る体力も残っていなかった。
両手でななを抱え、
外に出すと、
ゆらゆらと歩き、
こてんと倒れるように横になった。
少しして、
ななはトイレに行こうとしたが、
辿りつけなかった。
俺はその時、
ななの明日は
もう来てくれないのだと直感した。
クッションの上に
おかあの匂いの残るタオルをかけ、
ななを寝かせた。
ななは、
おかあのことが大好きだった。
いつも寝るときは、
おかあの枕元で丸くなっていた。
おかあを近くに
感じさせてあげたかった。
ななの呼吸が
みるみるうちに浅くなる。
ほんの少しでもいい、
なるべく楽にいさせてあげたい。
先生に電話をかけた。
俺の声はうわずっていたと思う。
「うつ伏せにしてあげてください」
「その方が呼吸は楽にできます」
ななを抱え、
うつ伏せに寝かせ直した。
ななはじっと俺を見つめた。
ななに寄り添うように、
俺も横になった。
「おかあ、もうじき帰ってくるよ」
「頑張れ、なな」
そう言いつつも俺は、
苦しそうに喘ぐ
ななの顔を見ていられず、
一度、ベランダに逃げてしまった。
煙草を1本吸った。
「なんでだよ」
「まだ11ヶ月なんだぞ」
「神様、お願いだから」
「ななを連れてかないで」
俺は煙草をもみ消した。
空を見上げ、
フッと息を吐き、
自分の頬を一発強く張り、
覚悟を決めた。
俺は、ななの隣に戻った。
「ごめんな、なな」
「おとうは、もう逃げない」
「最後まで一緒だ」
病院から戻って約2時間。
おかあに会いたい一心からか、
ななは本当によく頑張った。
しかし、
とうとうその時は訪れた。
ハッと強く息を吐いた次の瞬間、
ななは俺へと視線を送った。
直後、瞳孔が散大した。
17時ちょうどだった。
「サヨナラ」
ななの声が聞こえた、
気がした。
ななを抱きかかえると、
俺は叫びまくった。
「なにがサヨナラだよ!」
「まだ逝っちゃダメだって!」
「おかあ、帰ってきてないよ!」
「戻ってこいよ、なな!」
「なな!」
「なな!」
「なな!」
もう一度、
ギュッと抱きしめてから、
静かに寝かせ、
ななに語りかけた。
「よく頑張ったね」
「偉かったね、なな」
「うちの子になってくれて」
「ありがとう」
くうがななに近寄り、
フンフンと匂いを嗅いだ。
くうも分かったのだろう。
ななの近くで
小さく体を丸めた。
左手でなな、
右手でくうを撫でながら、
俺は泣いた。
ほどなくして、
おかあから「帰ります」と
LINEが来た。
一瞬悩んだあと、
おかあに電話をかけ、
ななが旅立ったことを伝えた。
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あの日、
なんとか助けてあげたくて、
ななを病院へ連れていきました。
あの容態で往復1時間も
車に揺られるということが
どれだけ辛かったか…。
無理に病院なんて連れて行かず、
家でゆっくりと
過ごさせてやればよかった。
そんな後悔が今もあります。
その選択をしていれば、
おかあは間に合ったのかも、と。
ななとおかあ、
もう一度、
会わせてあげたかったなあ。
今でも
ベランダで煙草を吸っていると
あの日のことが蘇り、
涙がこぼれてくることがあります。
あれから1年。
我が家には、
くうがいて、
はながいて。
そして、
目を閉じれば、
いつもなながいます。

この子たちに出会えてよかった。
私たちは、
きっと幸せです。
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