認知症予防や要介護度の維持・改善に向けた取り組みにさらに力を入れるべく、国の2020年度の介護予防の交付金が400億円に倍増することが発表されました
 
自治体としては、今後ますます多様な取り組みをすることが求められますが、関係者の皆様、効果が出そうな計画を立てられていますか?
 
高齢化や過疎化が進むなか、介護予防につながる地域組織活動が鈍化し、悩まれている自治体も少なくないのではないでしょうか?
 
そこで、その解決のヒントとなる「何があれば、地域組織活動は活性化するのか」、その活性化要因を5つ、ご紹介しましょう。

 

本内容は、大分県国民保険団体連合会と大分県竹田市と東京大学の仲間とともに、第11回日本ヘルスコミュニケーション学会で、今年、発表した内容でもあります。
【出典】蝦名玲子、上野治香、大島敦子、横山光政、木内貴弘、石川ひろの、坂本伸江、渡邊由美子.地域組織活動活性化要因の把握と尺度の開発.第11回日本ヘルスコミュニケーション学会.2019年.

 

 
(テレビ朝日『スーパーJチャンネルおおいた』出演時の写真。東京大学のガウンは黒色なので、ミシガン州立大学のグリーン色のガウンを着て、夏の博士ファッションで♪ 私、上を見ながら話していて、変ですが、これは、インタビューアが長身の男性だったためなのです。)
 
 

では、まず、なぜ、地域組織活動が大切かのおさらいをしましょう。

 
地域組織活動が重要視されている理由は「地域組織活動に参加しない人で認知症発症リスクが高い」「同じように運動していても地域組織活動に参加していない人は参加している人に比べ、介護認定を受けるリスクが高い」等、国内外の多くの研究で、地域組織活動への参加が健康に与える良い影響が確認されているからです。
 
このため、国は、こうした社会参加を促すような介護予防事業をさらに充実させようとしているわけです。

しかし、地域保健の現場では、 高齢化や過疎化に伴う地域組織活動の参加者数の減少といった「活動の鈍化」や「保健師の業務過多により事業評価が困難」という問題がよく指摘されています。
 
また、地域組織活動を活性化させることが求められながらも、それがうまくいかないときに、「なぜうまくいかないのか」を探り、「活性化に必要なポイントはおさえられているのか」を確認するのに適切な、指標となる尺度がないことも、効果的に活性化できない理由としてあげられています。

そこで、このたび、大分県国民保険連合会と大分県竹田市と東京大学の仲間とともに、竹田市の住民220名の協力も得て、エンパワメントと能力の構築という視点から地域組織活動の活性化に必要な5つの要因を明確化し、「地域組織活動活性化尺度」を開発しました
 
尺度は論文に掲載されたらご紹介しますが、ここではいち早く、「何があれば、地域組織活動は活性化するのか」の答えとなる、5つの要因をお伝えしますね。
 
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1つ目の要因は「活動満足度と目的意識」です。
地域組織に参加することで生活がさらに充実するという期待、やりがいや満足感、目的等を持って、住民が参加していることが、組織の活性化には重要です。
 
2つ目は「地域内の評価」です。
地域の人達が組織の存在や活動内容を知っている、地域の人達に必要とされている等と、参加者が感じられていることがポイントとなります。
 
3つ目は「組織内の評価」です。
組織の中で自分の役割があり、考えや意見等が発言でき、認められている、と参加者が感じられることが必要です。
 
4つ目は「裁量」です。
参加者自身で、運営や活動内容の決定、まとめ等ができていると感じられることが大切です。
 
5つ目は「情報と活動へのアクセス」です。
自治体の健康情報がきちんと伝わり、知っていると感じ、健康づくりに関する自治体の行事等に参加していることが、実は、地域組織の活性化にもつながるのです。
 
今後、地域組織活動を運営される際には、ぜひ、この5点を意識しましょう。
きっと、活気が出てくるはずです!
 
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