- Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク〈7〉/石田 衣良

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IWGPシリーズの第七弾が出ていたのですね~知らなかった(;^_^A 図書館にあったので、早速借りてきました。
まだ「要町テレフォンマン」しか読んでいないのですが、とても印象的だったので、先に書いてしまいます。
テーマは振り込め詐欺。さすが、衣良さんは世相を上手に反映させたお話を書いてくれます。
振り込め詐欺の会社(?)に勤める若者、ヨウジは、ある事件がきっかけで勤めを辞めたいと思うのだが、社長が怖くて辞めさせてくれない。そこで、池袋のトラブルシューター、マコトに相談をする。というストーリー。
近年、大きな社会問題となっている振り込め詐欺。
私も以前テレビで見たことあるのですが、とにかく会社のシステムがとっても緻密なんです。足が付かないように、ウィークリーマンションを定期的に移り変えて利用したり、プリペイド式携帯を利用するなどは当然の手法。電話かけのマニュアルも練りに練られている。従業員それぞれのキャラに応じて、泣き屋、脅し屋、被害者役、警察役、など役割分担もしっかり。そして、さらに驚くべきは、ノルマや目標設定の高さと、従業員のモチベーションを上げるための工夫がしっかりなされていることなのです。
まさに雰囲気はどこかの会社の営業部?という感じ。犯罪行為だけど、それを真面目に追求して、うまくだますテクを研究して、本当に勉強熱心な人たちの集まりなのです。
何故、若者達は犯罪に熱心になってしまうのか?
この物語の冒頭に、その辺りの背景をさら~っと衣良さんが書いてくれています。
要は、若者の就職難。フリーターや派遣という形で使い捨てされ、上に行く道は最初から完全に閉ざされている。勝ち組、負け組という構図の世の中。しかし、負け組だっていつまでもおとなしくしてられない、そろそろ反撃にでなければ。ということで生まれたものの一例が、振り込め詐欺、というわけです。
話はそれますが、昨日のお昼、まだこの本を読む前に、NHKのスタジオパークというお昼の番組を見ていたら、ゲストに勝間和代さんが出演されていたのです。私は勝間さんのことを知らなかったのですが、まあ、とにかく凄い人です。超スーパーウーマンです。そして、その勝間さんが番組の初めに仰るには、「日本は世界一若者に冷たい国。とにかく若者をいじめている。」とのこと。年金とか保険とか払ったものが将来ペイされる率が最も低いのが今の日本の若者世代なのだとか。
この話を聞いて、思わず膝を打ちました!
私も先日、詳細は書けませんが、「何で老人ばっかりそんなに優遇するの?」と怒りを覚えたことがあったのです。そっか~、我々はいじめられていたのですね。巷で話題になっている若者の就職難だって、本人達のせいばかりではないのかも。社会の仕組み、経済の仕組み、要因はたくさんあるのでしょう。
そして、この番組を見た後に読んだのがこの本!勝間さんのお話と、この物語の内容が、バチーッとマッチングして一直線につながった!いじめられっこの若者がはびこる日本社会。さらに物語を読み進むにつれて、私の振り込め詐欺に対する見方は、一変してしまったのです。
いじめられている若者の復讐の形が振り込め詐欺。つまりは、振り込め詐欺とは、若者の反乱。さらに言えば、一種の革命?とも言えるかも。時代が変われば、革命の形も変わるのです。きちんとした教育を受けた昨今の若者がする革命とは、かつての正攻法ではなく、ばりばりの変化球なのですね。彼らは暴力や武力などのかっこ悪い手法は使わないのです。やり方はあくまでスマートですね。ターゲットにするお年寄りだって身ぐるみはがされるわけではない。ちょっと(人によってはかなり?)悔しい思いをさせるだけ。決して危害は加えないから、罪悪感もちょっとですみます。まさに今時の若者が考えそうな方法。悪知恵が働くというか、ずる賢いというか。でもスケールは小さいのですね。
振り込め詐欺って、最も初期の頃は、「オレオレ詐欺」って言われてましたね。最初にあれを聞いた時は、「何でこんなのに騙されるの?ばっかばかしい~。」と笑って流していたものです。それが、これほどまでに社会に定着してしまって、不況の今にあっても年々右肩上がり。着実に成長し続けている業種です。これも、彼らの企業努力(?)の賜物なのかもしれません。
しかし、何だかだ言ってみても、振り込め詐欺は悪いことです。それに、危険で恐ろしい仕事でもあります。できることなら、そんな危険な仕事ではなく、安全な仕事を真面目に追求すべきと思います。そのためには、勝間さんが仰っていた生き抜くためのポイント、「本を読む」「人と会う」「こつこつ続ける」を実践することでしょうか?私もこの3つのポイントを座右の銘(別に格言ではないのだが・・・)にしようと思います。
最後に本の話に戻ります。
やっぱりIWGPは面白かった!相変わらず文章のテンポはいいし、マコトもきっちりトラブルを解決してくれるし、読んだ後、本当にスカッとします。残りの3作品では、マコトがどんな活躍をしてくれるのか?楽しみです(^-^)/