- 本を読む女 (新潮文庫)/林 真理子

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林真理子さんの実母をモデルにした作品。
少女時代から30歳くらいまでを描いている。小見出しが、「赤い鳥」や「放浪記」、「斜陽」など本のタイトルになっていて、主人公万亀(まき)がその時々でどんな本を読んでいたかがわかるようになっている。1989年の新聞連載なので、かれこれもう20年前のもの。それでも全然古くさくない。林真理子さんの作品は昔の方が面白いと思う。
7年前にNHKでもドラマ化されたらしく、菊川怜が主人公を演じたようだ。菊川怜は決して好きな女優ではないが、この本のイメージにはぴったり。まさにはまり役だ。再放送のあかつきには是非見てみたい。
万亀の人生は決してドラマティックではない。少女時代から本を読むことが好きで、本を読んで暮らしていけたらと願っている。女専に進み、地方で教師になり、お見合い結婚し、大陸で新婚生活を送り、出産し、戦争の最中に赤ん坊と死別し、そして迎える終戦。
この時代にあっては、それほど劇的じゃないし、普通なのだろう。しかし、その普通の人生を、細かい感情描写を加えながら、面白い小説にしてしまうのは、さすが林真理子さん。そして、小見出しの本をさり気なく物語に絡めている点もセンスが良くて面白い。
それにしても、自分の母親の人生って、何となく知りたいような、知りたくないような、微妙な感じ。特に独身時代の母の様子って、知ってしまったらがっかりしそうで何となく怖い。林真理子さんはこの作品を書くにあたって実際に母親に取材したのだろうか?自分の母の人生も、臆することなくきちんと受け留められるなんて、やっぱり作家さんは違うな~