- 電子の星/石田 衣良

- ¥1,600
- Amazon.co.jp
久しぶりの石田衣良さん作品、IWGPの第4巻です。収録作品は全部で4作。「東口ラーメンライン」、「ワルツ・フォー・ベビー」、「黒いフードの夜」、そして「電子の星」です。何だか、巻を追うごとに内容がハードになるような気がするのですが・・・・気のせいでしょうか?本のタイトルにもなっている「電子の星」に出てくる「肉体損壊ショー」(腕や耳や舌など体の一部を麻酔をかけた状態で鋸で切断し、それを観客に見せる、という一種のSMマニア向けショー)の描写は、痛くて、おぞましくて、とてもまともに読めませんでした。活字からおぞましさと痛さが伝わってきて、思わず目をそむけてしまう。トッコには到底、あの手のSM趣味は理解不能です。しかし、最近は街中を歩いていれば、耳に一周ピアスをしている人や、鼻ピアスなどもよく見かけるし、自分の体を痛めつけることが好きな人が存在するのは事実なのでしょう。そうすると、世の中の需要的には少しは貢献しているのでしょうか?作中には、ショーのモデルをホームページで募集していて、実際に自殺志願者や性転換希望者などが応募してくると書かれていました。しかもギャラは時給にすると350万という記録的な値段。し~か~し~、おぞましさは変わらない・・・・・・((>д<))恐ろし過ぎる世界です。
今回、トッコが最も感動したのは、「黒いフードの夜」です。粗筋は、デリヘルで売春をしていたビルマ人14歳難民の少年、サヤーをマコトが救い出すお話です。これは泣けました!IWGPで初めて泣いたかも。何に泣けたかって、まず、日本で難民として生活するサヤー一家の厳しい生活状況に泣けました!そして、そのサヤーを、「絶対に自分をあきらめるな、自分を捨てるな。」や「自分がどうしたいのか、なにを望むのか、自分で決めるんだ。」などのセリフで必死に励ますマコトの優しさに泣けました!サヤーとマコトの出会いは本当に偶然。傷みかけた果物をカットしてダンボールに捨てたのを、サヤーが貰っていったのがきっかけですから。はっきり言って、マコトがサヤーを助ける義理など何もない。しかし、マコトはやっぱり助けます。他人に無関心な現代人の中にあって、実に世話好きなマコト、おせっかいマコト。でも、これだけ他人の為に尽くせる性格はやっぱり魅力だし、マコトの美徳だと思います。サヤーがマコトと出会えて本当によかった(^-^)/ サヤーはとても頭の良い少年です。何故って、9歳からろくに学校にも行かずに売春していたのに、「ちゃんと学校へ行って、働いて、家族を幸せにしたい。」という意志を持っているのですから。「がんばれ~サヤー!」そう語りかけたくなるような爽やかな読後でした。
それから、「ワルツ・フォー・ベビー」の中で、真島家のお正月についての描写があって、とても興味深かったです。何と、マコト母は、きちんと和服に着替えて新年を迎えるというのですから。普段は威勢の良い肝っ玉母さんでも、節目節目はきちんと過ごす。マコト母、ステキです。見習わなければ!