- 波のうえの魔術師/石田 衣良

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お久しぶりな更新です(;^_^A 今回も石田衣良さん作「波の上の魔術師」です。石田さんにはまって早3、4ヶ月経ったでしょうか?今回で5作目の作品です。はっきり言って面白い!スカッと爽やかな気分にさせてくれた作品でした。タイトルの「波」は株式のチャートのことなんですね。マネー小説、金融小説といってもよいかもしれません。しかし、文章のテンポとリズムの良さ、そして主人公が23歳という若い設定になっていることなどから、所謂オヤジ系の経済小説っぽい毒々しさは全くなく、爽やかで明るい雰囲気が全体を漂っています。
粗筋をちょこっとだけご紹介すると・・・・・
主人公則之は、大学卒業後パチプロ生活を送っていた(何せ1998年という時代設定ですので、不景気・就職難真っ只中の時代です。)が、ある日突然、闇の投資家の小塚老人に引き抜かれ秘書として雇われる。小塚老人の下で経済のイロハから株式投資のノウハウまで学びながら、則之自身も投資の世界の面白さにのめりこんでいく。そして、機が熟したところで、二人はまつば銀行という日本で第三位の大手都市銀行を撃ち落す!という所謂「秋のディール」を仕掛けていく。果たしてその結果はいかに・・・・・???
というかんじでしょうか?
トッコは株式はやっていないのですが、為替の投資をちょこっとやっていてそっちの勉強なども少しやっていたので、彼らの投資手法はとても興味深かったです。そして、小塚老人に雇われたばかりの則之の勉強方法などもとても参考になりました。具体的には、毎日日経新聞を隅々まで読んで、ある特定銘柄(ここではまつば銀行)の株価の終値を毎日ノートにつけていく、ということだけなのですが、、、、、たったこれだけのことでも、日々ノートに増えていく数字を追うだけで貴重なデータになるんですね。(まあ、それをどう分析するかという分析力はもちろん必要ですが。主人公の則之はとても的確にデータを分析してました!)実はトッコも以前日経平均を毎日ノートに書き出していた時期があったんですよ(;^_^A 一ヶ月ほど続けてやめてしまいましたが。だってインターネットで値動きのチェックはできるんだから、などと思ってやめてしまったのですが、やっぱり自分で手を動かしてグラフなり表なり作ることで見えてくるものがあるのかな~などとちょっと則之の方法を見直しました。
作品の後半は、変額保険という悪名高い金融商品を老人達に売りまくって、最後には家屋敷や土地まで身ぐるみはがすという卑怯な商売をしていたまつば銀行に、小塚老人と則之のコンビが攻撃を仕掛ける「秋のディール」が中心です。ここはホントに展開が早くて、とにかく面白かった!最近ではライブドアショックなどで株価急落!なんて事件がありましたが、株価が暴落するような事件の背後って、実はこういうことがあるのか~というかんじで、小塚老人の地道な努力(といっても法律違反の行為なのですが)と根回しには感服しました。そして、最後になって明らかになる小塚老人の思惑。トッコは途中読んでいて、何故小塚老人がまつば銀行にターゲットを絞ったのか不可解だったのですが、なるほど納得!でした。孤独でどこか得体の知れない小塚老人にも、やはり「誰かのため」というモチベーションがあったんだ~とちょっと人間味を感じてホッとしました。
ただ、トッコの心配ごととしては、小塚老人と別れて一人で投資活動をすることになった則之が、将来「表面にとろりと光りを溜めて内側をのぞかせない」目の持ち主になってしまうのでは???ということ。石田さん、もし時間に余裕があったら、幸せな投資家として成功している則之を描いた続編を是非作って下さいませ。トッコはいの一番に読ませていただきますよ~♪♪