エフ・クラージュ 川崎由美子です。
昨日からTwitterを大いににぎわせているハッシュタグがあります。
#検察庁法改正案に抗議します
というハッシュタグをつけた投稿が相次いでおり、昨日私が夜見た時点では300万件を超えていました。
今の時点で470万件にまで増えているようですね。
「どこまで国民をばかにしてるの」
「これ以上看過できない」
「今ここで抗議の声を上げないと、本当に国が終わる気がする」
といったような声と共にこのハッシュタグをつけての投稿が次々され続けていることになります。
そして普段は芸能活動への影響を恐れ、政治的発言をほとんどしない日本の芸能人の人たちが続々とこのハッシュタグをつけてTwitterに意見を投稿。
演出家の宮本亜門さんは10日朝、同じハッシュタグでこう投稿。
「このコロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とはかけ離れた法案を強引に決めることは、日本にとって悲劇です」。
俳優の井浦新さん。
「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」と投稿しました。
この意見に賛意を表す「いいね」は3万を超えています。
「検察庁法改正案」、一体なんのこっちゃらという人も少なくないと思います。
私がこれに関するニュースを初めて見たのが、2月、よく参加している「経済ニュースを楽しく読む勉強会」でのことでした。
日経新聞上でこのことに関する記事を読み、そこで、この件は一体どういうことなのか?何が問題なのか?ということをおぼろげながら知りました。
そして今、この改正案に抗議する声が急速に高まったことで、改めて何が問題なのか?を調べてみました。
この問題となっている改正案について調べると
ことの発端は、東京高等検察庁の黒川弘務検事長の定年延長が閣議決定されたことです。
これだけ聞くと、これが一体なぜ問題なのか?と思うでしょう。
まずは、政府が、明確な説明をせずに法律の解釈を変更したことや、その手続きについてが問題視されました。
問題となっている法律についておさらいしますと、
国家公務員の定年について、ですが、
国家公務員の定年は国家公務員法で60歳。
検察官は、検察庁法という別の法律で63歳。
ただし、検察トップの検事総長だけ65歳。
となっています。
検察官は日本の司法制度を支える特別な職務であり、その定年は「一般法」である国家公務員法に依拠すべきでないという趣旨から、「特別法」である検察官法に定年条項(検事総長65歳、検事長以下63歳)が設けられているのです。
問題の東京高検の黒川弘務検事長は「検察官」で、2月8日の誕生日で63歳になりました。
なので、検察官法上では本来は2月で定年退官のはずでした。
ところが政府は、直前の1月末に1人だけ定年を8月まで延長するという閣議決定をしました。
これが今回の定年延長です。
安倍内閣は、人事院のこれまでの法解釈を無視して(閣議決定を根拠に変更させて)、黒川氏の定年延長に踏み切ったといわれているのです。
検察庁法という検察官について定められた法律には検察官の定年延長の記述はありません。
このため今回は国家公務員法の定年延長の規定が使われました。
検察官の場合、国家公務員法に基づくのは望ましくないからこそ検察官法であえて定年が定められているのですが(つまり定年延長は事実上認められていない)、
検察官にとって望ましくなかったはずの国家公務員法を持ちだして「国家公務員法に基づく延長が可能」だという。
当然、研究者や法律家からは「別の法律で延長するのはおかしい。検察の不偏不党を損なう」という声が上がっています。
検察官法の定年の趣旨がまったく顧みられていない、きわめてご都合主義的で違法性の強い解釈である、と言われているのです。
では、黒川氏の定年を延長することで何が起こるのか?
「黒川氏を次の検事総長にするためではないか」ということです。
なぜなら・・・
検事総長は近年、2年ほどで交代することが多く、今の総長は7月で就任から丸2年になります。
そして黒川氏が定年延長の結果8月まで定年が延びることで、黒川検事長よりも誕生日が後で、ライバルと目されたほかの人が63歳を迎えて、先に定年となります。
つまり黒川氏の定年を延ばすことによって結果的に黒川氏を次の検事総長にすることが可能になる、ということです。
では、なぜ政府はこのようなことを行ったのでしょう。
政府によれば、「複雑困難な事件に対応するため」。
しかし、黒川検事長は官房長や事務次官などを歴任してきたということから、野党からは「官邸に近い」という指摘のある人物です。
つまり、官邸の息のかかった人物を検察庁のトップに据えたい、という意図が見えるのです。
検察庁というのは、政官界の不正に捜査のメスを入れる特別機関であり、検察首脳人事はこれまで政治介入を許さない“聖域”とされてきました。
過去には何度も、検察の捜査が時の内閣を崩壊させています。
私の記憶に新しいのは、昭和63年から平成元年にかけての「リクルート事件」。
これをきっかけに政治不信が高まり、竹下内閣が総辞職しました。
検察庁は政府の不正のメスを入れるほどの聖域でなくてはならないのに、今回政府がご都合主義的で違法性の強いやり方で法律を捻じ曲げて検察庁の人事に介入しようとしている。
内閣のレベルで検察権力を骨抜きにしようとしているようにしか見えないのです。
まずはそこに多くの人が憤っています。
それに加えて、コロナ禍で国中が混乱している今の時期。
政権挙げて全力でコロナ対策に取り組まなければならない今の時期に、どさくさに紛れて審議入りさせたとしか思えないのも、これだけ大くの国民の不信を招いている理由とも言えます。
しかし、この件は8日に審議入りが強行され、早ければ13日には採決される可能性があります。
今この時期に、改正案はほんとうに必要なのでしょうか?
他の緊急のことが山ほどあるはずで、緊急性はまったくないはずです。
これほどの国民の声を受けてもやはり採決してしまうとしたら、この国の民主主義は一体どこへ行った、と思ってしまいますし、
政治不信にますます拍車がかかると思いますね。
まずは13日の審議を注視したいと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。
エフ・クラージュ
川崎 由美子

