エフ・クラージュ イメージコンサルタント川崎由美子です。
先日、前々から見たいと思っていた「女王陛下のお気に入り」という映画を観て来ました。
18世紀初頭のイングランドのアン女王の時代のドラマです。
アン女王は孤独で病気がち、その女王のそばで国政も取り仕切り、公的な部分でも私的な部分でも完全にブレーンとなっているサラという侯爵夫人。
そして、没落貴族で最初は女中として宮廷にやってくるアビゲイル。
下働きの女中の時はすごいいじめに遭ってボコボコにされるんだけれども、女王とサラのとある秘密を見てしまってから、彼女の持つ狡猾で戦略に長けた能力を発揮して少しずつのし上がり、しまいには、サラの立場を脅かす存在に・・・
とにかく、女王の”寵愛”を巡ってのドロッとしたドラマです。
という、この女性3人の織り成すドロッとしたドラマをちょっとコメディチックに描いた映画。
えっ!?こんなシーンが・・・とちょっとびっくりするシーンや絡みがありながら、実際歴史上に本当に存在する人物ばかりで、多少色づけはしてあるものの、ストーリの流れとしては大枠は史実の通りなんですね。
映画見終わった後、調べたら全員実際にいた人だし、話の流れやエピソードなど、大体合っていたんです。
そんな歴史の話を、ちょっとした想像力を膨らませてあそこまでのドラマにしてしまう、というのもすごいなと思ったのですが、それ以上にすごいのが、この3人を演じた女優陣です。
三人三様に、それぞれの立場があって、欲望がありつつ、しんどい部分も持っている。
女王に至っては、「女王」なんだけど、教養はないし、政治のこと国の外のことを何にもわかっていない。
確かに宮廷の人は表向きは「女王陛下」ってかしずいているけれど、尊敬は全くしていないですよね。
彼女には女王としての威厳はないし、太り過ぎているし痛風持ちで自分で歩けないし、自分の意見もはっきり言えないような人なので、
産んだ子供17人とも失っているし、自分自身も見た目にすごくコンプレックスを持っていて、とにかく自己概念が低い。
そんな孤独な自分にかまってくれる存在、それをとにかく心から欲している・・・なので、突然起こり出したりかんしゃくを起こしたり、子供みたい、そういう感じです。
こんな感じで、威厳はないけれど、でも女王だと思わせる何かがないわけでもない。それは見ていてわかります。
他の2人にしても・・・悪い女だけど、それだけでもない、とか、情がなさそうに見えて実はそうでもない、とか、すごく二面性を持っているんですよね、この3人って。
それを何とも絶妙に演じていたのがこの3人でした。
3人ともアカデミー賞にノミネートされ、主演のアン女王を演じたオリビア・コールマンは主演女優賞を獲得しましたがそれも納得です。
全体的に、多くを語らせないセリフ、そしてアップにされる表情・・・そういうもので、見ている者の想像をかきたてます。
結果どう思ってあんなことをしたのか?ああいうことを言ったのか?と、ものすごく想像力をかきたてられたんですね。
そして、パートナーも私も、見た後の余韻がすごくて、翌日もずっと引きずるというか、思い返してしまうんです。
それくらい、余韻を残す映画ってなかなかありません。
そして勧善懲悪ではないところもまた余韻を残す一つの要因になっていると思います。
いやあ、なかなかないですね、こういう映画は。
わかりやすく、感動した、泣いた、という感じにはなりませんが、余韻を残す、そういう意味ではとても優れた映画で、演じ手の技量も卓越していた、そういう映画ではないでしょうか。
本日もお読みいただきありがとうございました。
エフ・クラージュ
川崎 由美子
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