エフ・クラージュ イメージコンサルタント川崎由美子です。
昨日は、大竹しのぶさんが14歳の少年を演じるということで話題になったミュージカル「にんじん」を観て来ました。
60歳の大竹さんが、14歳の少年になる・・・どんなことになるの?
ただそれだけに惹かれて、この目で見たくて、チケットを取ってしまったのです。
実際に幕が開くと・・・
そこには、14歳の、愛を求めて家族に愛されたくて・・・でも不器用にしか生きられない、自分を「にんじん」と呼ぶ少年の姿がありました。
もはや、「大竹しのぶ」という女優はどこにもいなくて、自分を愛して欲しくて、愛を求めながらも得られないからひねくれ、そしてさらに仲間外れになってしまう・・・という少年がいました。
そしてとても切なすぎるのです。
切なさに胸が詰まるのです。
両親の本当の子供として生まれながら、愛されず、親のことを「ルピックさん」「ルピックの奥さん」と呼ぶ。
そして特に母親からは、”虐待”とも言えるような仕打ちを受けています。
でも家族の中では誰も彼の見方をしてくれる人もおらず、外に出ても、本当の助けになるような人はいない。
いったいどういう結末で終わるんだろう・・・?
と思わせられる、登場人物たち。
「にんじん」は、「フランソワ」という名前がありながら、自分のことを「にんじん」と呼び、人にも呼ばせ、つらく寂しい自分は「にんじん」という自分の中の存在に追わせようとしているかのよう。
誰からも愛してもらえず、「にんじん」は、生きていることに意味を見出せなくなります。
そして、死んだらもっといい世界に行けるのではないか・・・と次第に自殺すら考えるようになるのです。
ミュージカルで、子供向けと思っていましたが、切ないというかつらい内容ではありました。
そしていろんな家族とのドラマを経て、自殺を思いとどまるも、家族もそれぞれの道を歩くことになり、にんじんも・・・
最後は、何か誰かによりどころを見出そうとしてきた彼が、
僕は「一人」でも、自分で選んだ「一人」だから・・・
と、力強い歌いながら寄宿舎に帰って行くことを選びます。
自分で選んで道を進む、という自分になった姿を見せ、少しですが希望を見せて、幕を閉じます。
そんな切なくて愛を求めてさまよい続ける「にんじん」、大竹しのぶが演じているというより、もう「にんじん」そのものでした。
まるで乗り移ったかのように・・・
これが「演じる」というか、役になる、というのか・・・これが大竹しのぶなんだ・・・これが役者というものなのか、と。
とにかく「にんじん」を愛してあげたくなってしまうのです。
ただただ・・・頑張れ!と。
大竹しのぶの14歳の少年に衝撃を受け、そして切ない内容に胸が詰まりながらも・・・最後は、一人を選ぶのも、自分で選ぶ「一人」だから・・・と歌うにんじん、大竹しのぶの「にんじん」に完全に引き込まれていました。
夏からいろんな舞台を観て来ましたが・・・
この舞台はいろんな意味で全く予想がつかないものでした。
いちばん、どうなるのかわからず、ハッピーエンドにはならないだろうと思える舞台。
そして、何かわかりやすい”救い”があるわけでもないのに、でも最後はなんだか勇気をもらえるようなそんな舞台。
それはやはり、大竹しのぶさんの繊細で、魂が乗り移ったかのような演技、それが本当に大きな大きな要因だったんだろうなと思います。
これが役者というものなのですね。本当にすごかったです。
本日もお読みいただきありがとうございました。
エフ・クラージュ
川崎 由美子
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