「Aコースで」
「この間のお礼に」と友人が食事をごちそうしてくれることになった場面です。
そのレストランでは、A、B両方のコースがあったとします。
Aコースは、メインディッシュが肉・魚のどちらか
Bコースは、肉魚両方のフルコースです。
冒頭の言葉は、「ごちそうになるのだから、控えめにしておこう」という考えから
「Aコースで(結構です)」と答えたものです。
つまり話し手は、Aコースで十分だ、満足だと言いたいのです。
あるいは、どちらも思っていたより高く、
相手に負担をかけるのではないかという気持から
来ている場合もあります。
「Aコースでかまわないでしょうか?」と相手への許可を求める意図があります。
しかし、それは話し手の勝手な考え方といえるかもしれません。
ごちそうする側は、とにかく目一杯喜んでもらいたいわけですから
「その程度で十分だ」という考え方も
「高いけど、大丈夫?」という考え方も期待していません。
心から満足してもらいたいのです。
もとより「結構です」の意を言外に感じさせるとしたら
そこには「最低限度の満足」という意味も含まれていますから
注意が必要です。
もともと話し手の気遣いからうまれた表現ではありますが
聞き手との微妙なずれがあるわけですね。
ワリカンならともかく、ごちそうしてもらう場面では
「Aコースを」
「Aコースをお願いします」と言うほうが
期待感を持っている表現と受け止められることでしょう。
日本語にはこういう控えめな表現が実に多いのですが
相手の行為に感謝する場面では
120%、期待感や喜びを表現してもいいのではないでしょうか。
──────ポイント
☆「Aコースで」「コーヒーで」「Bランチで」などの表現は
「最低限度満足している」「十分です」と受け止められることがあります。
「Aコースを」「Aコースをお願いします」と言うほうがいいでしょう。
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