セッションルールームはこんな雰囲気です。
天井の高さと、光が十分入る大きな窓が気に入り決めました。
自分のセンターになぜ
Magnolia,マグノリアとつけたか、、、と言うと、
・マグノリアの花が好きで、
・ポールトーマスアンダーソンの映画 マグノリアも好きで、
・宮沢賢治の 「マグノリアの木」と言う詩も好きだから。です。
映画マグノリアは、少し味付けが濃すぎる感もありますが、
インナーチャイルドがある大人、
誰でもお勧めの映画と思います。
今日は、宮澤賢治のマグノリアの木をご紹介。
マグノリアの木
宮澤賢治
もしもほんの少しのはり合で霧を
それから谷の深い処には
それでも
何べんも何べんも
けれども光は
つやつや光る
(これがお前の
(そうです。そうです。そうですとも。いかにも私の景色です。私なのです。だから
(これはこれ
惑 う木立 の
中ならず
しのびをならう
春の道場)
中ならず
しのびをならう
春の道場)
どこからかこんな声がはっきり聞えて来ました。諒安 は眼 をひらきました。霧 がからだにつめたく浸 み込 むのでした。
全 く霧は白く痛 く竜 の髯 の青い傾斜 はその中にぼんやりかすんで行きました。諒安はとっととかけ下りました。
そしてたちまち一本の灌木 に足をつかまれて投 げ出すように倒 れました。
諒安はにが笑 いをしながら起 きあがりました。
いきなり険 しい灌木の崖 が目の前に出ました。
諒安はそのくろもじの枝 にとりついてのぼりました。くろもじはかすかな匂 を霧に送 り霧は俄 かに乳 いろの柔 らかなやさしいものを諒安によこしました。
諒安はよじのぼりながら笑いました。
その時霧は大へん陰気 になりました。そこで諒安は霧にそのかすかな笑 いを投 げました。そこで霧はさっと明るくなりました。
そして諒安はとうとう一つの平 らな枯草 の頂上 に立ちました。
そこは少し黄金 いろでほっとあたたかなような気がしました。
諒安は自分のからだから少しの汗 の匂 いが細い糸のようになって霧の中へ騰 って行くのを思いました。その汗という考から一疋 の立派 な黒い馬がひらっと躍 り出して霧の中へ消 えて行きました。
霧が俄 かにゆれました。そして諒安 はそらいっぱいにきんきん光って漂 う琥珀 の分子のようなものを見ました。それはさっと琥珀から黄金に変 りまた新鮮 な緑 に遷 ってまるで雨よりも滋 く降 って来るのでした。
いつか諒安の影 がうすくかれ草の上に落 ちていました。一きれのいいかおりがきらっと光って霧 とその琥珀との浮遊 の中を過 ぎて行きました。
と思うと俄かにぱっとあたりが黄金に変りました。
霧が融 けたのでした。太陽 は磨 きたての藍銅鉱 のそらに液体 のようにゆらめいてかかり融 けのこりの霧はまぶしく蝋 のように谷のあちこちに澱 みます。
(ああこんなけわしいひどいところを私は渡 って来たのだな。けれども何というこの立派 さだろう。そしてはてな、あれは。)
諒安は眼 を疑 いました。そのいちめんの山谷の刻 みにいちめんまっ白にマグノリアの木の花が咲 いているのでした。その日のあたるところは銀 と見え陰 になるところは雪のきれと思われたのです。
(けわしくも刻 むこころの峯々 に いま咲きそむるマグノリアかも。)斯 う云 う声がどこからかはっきり聞えて来ました。諒安は心も明るくあたりを見まわしました。
すぐ向 うに一本の大きなほおの木がありました。その下に二人の子供 が幹 を間にして立っているのでした。
(ああさっきから歌っていたのはあの子供らだ。けれどもあれはどうもただの子供らではないぞ。)諒安 はよくそっちを見ました。
その子供らは羅 をつけ瓔珞 をかざり日光に光り、すべて断食 のあけがたの夢 のようでした。ところがさっきの歌はその子供らでもないようでした。それは一人の子供がさっきよりずうっと細い声でマグノリアの木の梢 を見あげながら歌い出したからです。
そしてたちまち一本の
諒安はにが
いきなり
諒安はそのくろもじの
諒安はよじのぼりながら笑いました。
その時霧は大へん
そして諒安はとうとう一つの
そこは少し
諒安は自分のからだから少しの
霧が
いつか諒安の
と思うと俄かにぱっとあたりが黄金に変りました。
霧が
(ああこんなけわしいひどいところを私は
諒安は
(けわしくも
すぐ
(ああさっきから歌っていたのはあの子供らだ。けれどもあれはどうもただの子供らではないぞ。)
その子供らは
「サンタ、マグノリア、
枝 にいっぱいひかるはなんぞ。」
「天に飛 びたつ銀 の鳩 。」
こちらの子がまたうたいました。
「セント、マグノリア、
枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
「天からおりた天の鳩。」
枝にいっぱいひかるはなんぞ。」
「天からおりた天の鳩。」
諒安はしずかに進 んで行きました。
「マグノリアの木は寂静印 です。ここはどこですか。」
「私たちにはわかりません。」一人の子がつつましく賢 こそうな眼 をあげながら答えました。
「そうです、マグノリアの木は寂静印です。」
強いはっきりした声が諒安 のうしろでしました。諒安は急 いでふり向 きました。子供らと同じなりをした丁度 諒安と同じくらいの人がまっすぐに立ってわらっていました。
「あなたですか、さっきから霧の中やらでお歌いになった方は。」
「ええ、私です。またあなたです。なぜなら私というものもまたあなたが感 じているのですから。」
「そうです、ありがとう、私です、またあなたです。なぜなら私というものもまたあなたの中にあるのですから。」
その人は笑 いました。諒安と二人ははじめて軽 く礼 をしました。
「ほんとうにここは平 らですね。」諒安はうしろの方のうつくしい黄金の草の高原を見ながら云 いました。その人は笑いました。
「ええ、平らです、けれどもここの平らかさはけわしさに対 する平らさです。ほんとうの平らさではありません。」
「そうです。それは私がけわしい山谷を渡 ったから平らなのです。」
「ごらんなさい、そのけわしい山谷にいまいちめんにマグノリアが咲 いています。」
「ええ、ありがとう、ですからマグノリアの木は寂静 です。あの花びらは天の山羊 の乳 よりしめやかです。あのかおりは覚者 たちの尊 い偈 を人に送 ります。」
「それはみんな善 です。」
「誰 の善ですか。」諒安はも一度 その美 しい黄金の高原とけわしい山谷の刻 みの中のマグノリアとを見ながらたずねました。
「覚者の善です。」その人の影 は紫 いろで透明 に草に落 ちていました。
「そうです、そしてまた私どもの善です。覚者の善は絶対 です。それはマグノリアの木にもあらわれ、けわしい峯 のつめたい巌 にもあらわれ、谷の暗 い密林 もこの河 がずうっと流 れて行って氾濫 をするあたりの度々 の革命 や饑饉 や疫病 やみんな覚者の善です。けれどもここではマグノリアの木が覚者の善でまた私どもの善です。」
諒安とその人と二人はまた恭 しく礼をしました。
「マグノリアの木は
「私たちにはわかりません。」一人の子がつつましく
「そうです、マグノリアの木は寂静印です。」
強いはっきりした声が
「あなたですか、さっきから霧の中やらでお歌いになった方は。」
「ええ、私です。またあなたです。なぜなら私というものもまたあなたが
「そうです、ありがとう、私です、またあなたです。なぜなら私というものもまたあなたの中にあるのですから。」
その人は
「ほんとうにここは
「ええ、平らです、けれどもここの平らかさはけわしさに
「そうです。それは私がけわしい山谷を
「ごらんなさい、そのけわしい山谷にいまいちめんにマグノリアが
「ええ、ありがとう、ですからマグノリアの木は
「それはみんな
「
「覚者の善です。」その人の
「そうです、そしてまた私どもの善です。覚者の善は
諒安とその人と二人はまた
「風の又三郎」角川文庫、角川書店
青空文庫
青空文庫
話づらいことも沢山話す場所なので、
なるべく緊張せずに、リラックスできる事を第一に考えてます。
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