私が尊敬してやまない臨床心理学者
河合隼雄先生の著書
「人の心はどこまでわかるか」の中に
心理学を学び始めた頃の自分の心を見透かされ
その後に気持ちの方向づけをしてもらえた
文章があります。
以前にもあげたことがありますが、
今現在の自分にも再度投げかけておきたい
常に要になる言葉です。
「同じ立場の人の何か役に立ちたい」
とずっと思っていた私でしたから。
「ただひとこと言えるのは、
自分はなりたい!と言うより、
自分こそ適任だ!と思うような人はあまり心理療法家には向かないと言うことです。
いかに豊富な人生経験を持っている人でも、それによって悩んでいる人を助けてあげられるのは、
極めて限定されたあるいは表面的な範囲内に過ぎません。
心理療法家にとって何より大切なのは、クライエントの考えや感情であってクライエントの個性を生かすことです。
従って自分の人生経験を生かしたいと意気込む事は、
心理療法家に必要な根本姿勢とは全く逆の姿になります。
また自分の傷つきやすさを鋭敏さと誤解して、
自分は弱い人の気持ちがよくわかるのでそのような人の役に立ちたいと思うような人も問題です。
確かに傷のある人は他人の傷の痛みがよくわかりますが、
そのようなわかり方は治癒にはつながりません。
傷を持っていたが癒された人、
傷は持っていないが傷ついた人の共感に努力する人、
などによってこそ
心理療法が成り立つのです。
もちろん完全な心理療法家などはいませんから、心理療法をしていても自分の資質を疑い迷い悩み、
ときには自分はやめた方が良いのではないかと思ったりするのも
当然で、
…こうしたことを通じて心理療法家が成長していくのです。
自分の心理療法に疑いや迷いが全くないと言う人がいたら、
私はその人にこそ強い疑いの念を抱きます。
人間の不可解な部分を対象としている限り、心理療法というのは自分の知識や技術を適用して必ず成功するという仕事ではないからです。」
「人の不可解な部分を対象にしている」
…形が無い
目に見えない
常に不安定で変化する
本人でさえはっきりとわからない
人の心にしっかりと寄り添うには
自分の経験だけでなく
多方面からの視点と知識
広く深いイメージ力からくる共感
自分の価値観を混在させない傾聴
日々之精進したいと思います

