◆歌舞伎座の怪紳士/近藤史恵


岩居久澄、二十七歳。無職。実家暮らし。今のところ生活に不満はない。不満はないけど、不安はある。私の将来どうなるんだろう……。そんな久澄に奇妙なバイトが舞い込んだ。祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。ただそれだけで一回五千円もらえるという。二つ返事で了承した久澄は、初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。とても楽しい。けど、久澄には疑問があった。なぜ劇場で毎回あの老紳士に会うんだろう?(徳間書店より)



読了。

体裁は長編ですが、いくつかの短編からなる長編です。

久澄ちゃんがしのぶさんからもらったチケットをきっかけに歌舞伎や舞台へと興味を持っていく様子やそこから少しずつ前に進もうとするのがよかったです。


ちょっと難しいと感じて敬遠しがちな歌舞伎も少し興味が湧きました。気軽に観ることもできそうなのでいつか挑戦してみるのもいいかも。



"新しい場所に行くことは、世界が少し広がることだ"

"興味を持って一ヶ月と少ししか経っていないのに、見える世界はどんどん変わっていく"

"好きなものがあることが明日への活力です"


最近、新しい楽しみを覚えたわたしはこのフレーズに共感しかなかったです。


他にも、すごく共感できる言葉がたくさんあって、日常の謎を楽しみつつ、久澄ちゃんが少しずつ前に進むのを確かめられて読後感もよいお話でした。