今日はチェリーの命日です。

命日にしてしまった日です。



13年前の3月9日、チェリーの癌がわかりました。



アラスカン·マラミュートのチェリーは我が家のワンコのリーダーでした。当時10歳でした。

ダブルコートのフワフワの毛、くるりと巻いた尻尾。窓辺に座っていると通りがかりの人が「ぬいぐるみかと思った!」と言う程大人しく、でも、しっかりワンコ達をまとめてくれていました。

アラスカン·マラミュートはとても優しいアーモンド型の目をしています。私はチェリーの目が大好きでした。


次女の高校受験が終わり、ホッとしていた2004年3月8日。次女が「お母さん、チェリーの後ろ脚に何か出来てる。」

触ると左脚の付け根辺りにベターっとした固めの何かがありました。可動性が無く、脂肪腫とは違う感じです。嫌な予感がしました。

翌日、獣医さんに行くとすぐ針生検、エコー、血液検査と検査が続きました。

院長先生に「誰が見つけたの?」と聞かれました。「次女です。」と言うと「こんなに見つけにくい所、よく見つけたね。」

検査結果が出るまで廊下で待つように言われました。待っている間、検査結果がどうか良性の物でありますようにと祈り続けました。しかし…

「癌だね。しかも表面より中に向かって、内蔵に向かって出来ている。」



でも、治療方法があるはず、先生なら何とかしてくれるはず、今までも助けてくれたもの。

脚を切って助けることはできませんか?
抗がん剤は無いのですか?
何か方法はありませんか?

答えはNOでした。

大型犬にすると10歳は相当な高齢だということ、抗がん剤や放射線をかけるにもリスクが大きい上に、癌の状態からいって効果が望めない事、内蔵に向かって癌が浸潤しているので断脚してもダメだということ。

『え?先生は何言ってるの?チェリーが死んじゃうって事?』
説明が頭に入ってきませんでした。

それでも出来ることはないかと、微かな期待を込めてプレドニンを飲ませました。プレドニンに反応する物もあるとのことでした。

一時的には小さくなってもすぐ大きく戻ってしまいます。そのうちはっきりと癌が脚の所にあると解る位大きくなってきました。

当時の院長先生が企業と一緒に研究していたアガリクス入りのフードを食べさせてみたりしましたが…かえって食欲がなくなりました。チェリーには合わなかったのでしょう。

チェリーは段々衰弱していきました。ご飯も食べられなくなりました。あれこれ色々食べさせてみましたが、受けつけません。以前なら大喜びして食べた物も口に入れません。30kgを超えていた体重も減っていき、みるみる痩せていきました。


舌の外周が黒くなりました。悪液質という、かなり悪い状態なのだそうです。それでもチェリーは頑張っていました。横になっていましたが、誰かが呼ぶと頭を上げてこちらを見ました。

とうとう癌による痛みがではじめました。
夜中背中をさすったり、体の向きを換えたりしましたが、泣きやみませんでした。現在は疼痛に対する処置がありますが、当時はありませんでした。十数年でワンコに対する医療も驚く程進歩しています。当時はワンコ用の薬品も今程無く、人間用を使ったりしていました。今ならもっとペインコントロール出来ただろうに…助けられないならせめて痛くないようにしてあげたかったと悔しい思いでいっぱいです。


獣医さんに、今後の事を家族で考えておくように言われました。今後の事…チェリーの痛みがもっと酷くなったら…。

治療方法は無い。
使える薬もない。

そして…





私達は安楽死を選ぶ事にしました。






チェリーが亡くなる数日前です。
家族全員で写真を撮りました。

笑顔で撮ろうと。
チェリーと一緒に。

この時、チェリーの前脚には点滴用の留置針が入っています。もう自力で水分をとることも難しくなっていました。

歩く事もできなくなっていました。我が家は庭でオシッコなのですが、そんな体になってもチェリーは外でしたがりました。「部屋の中でしていいよ。」と言っても長年の習慣でできなかったのでしょう。外へ連れて行きました、痩せてしまったチェリーを抱いて。

6月23日、チェリーは泣き続けていました。さすっても体の向きを変えても、何をしても悲鳴のような鳴き声が続きました。

6月24日、鳴き声は止まりません。深夜2時を過ぎた頃、獣医さんに電話しました。すぐ来るようにと。子供達も寝ずにいたので、家族全員でチェリーを連れて行きました。

院長先生も来て下さり 一目見るなり


「もう寝かせてあげよう」


チェリーの前脚の留置針から
院長先生がゆっくり薬を入れていきます。


      その時

      診察台の上で寝ていたチェリーが

      頭を上げて

      家族一人一人の顔を見て

      そして

      ゆっくり眠りにつきました。

      とても穏やかな顔でした。




チェリー。

私達は今でもあの時のチェリーの顔をはっきりと思い出すよ。




私はチェリーの命を絶ってしまったという事実を一生、忘れずにいようと思っています。

チェリーの事を思い出す度、ものすごく苦しい 、悲しい、辛い。何年経っても癒えるものではないし、癒してはいけないと思っています。

11歳15日。
癌とわかってから3ヶ月余り、チェリーは頑張ってくれました。色々な事を教えてくれました。

愛しいチェリー。