シリーズ化して書き綴っております
① セラピストという職業の捉え方 <欧米と日本の「セラピスト」という言葉の意味の違い>
② 欧米諸国での真の健康に関する取組みと、私の体験からみた日本との差違とは・・・
③ 欧米でどう扱われているの?公に療法として認められているアロマセラピーとは?
第4弾となります今日は
私自身がアロマセラピストになる上で、どんな教育を受けてきたか?
について書いてみようと思います。
お付き合いください。
私が卒業したスクールは香港にあります。
Asia-Pacific Aromatherapyは (以下APAで統一します)
本格的なイギリス流アロマセラピーのディプロマコースがあり
世界水準のホリスティックアロマセラピーを学ぶことのできる学校でした。
トリートメントサロンやヨガスクールが併設され
世界各国の優れた代替療法WSも定期的に開催されていました。
校長はオーストラリア人女性でイギリスのロバートティスランドスクールを卒業し
プライベートサロンで研鑽を重ねたのち
アジアにおけるホリスティックアロマセラピーの普及と教育をめざし開校しました。
元々は駐在員夫人として香港に来た人で
私同様にご自身のアイデンティティを見失いかけた経験を持っている人でした。
アロマセラピーで救われ、自分の人生を立て直し
イギリスに留学してアロマセラピストとなったのです。
厳しさには定評のある人でしたが、卒業後の事を考えての大きな愛ゆえのこと。
本当にサポートが必要な時には驚くほど優しい対応をしてくれ
私も随分助けられました。
そのAPAは、欧米に拠点をおく3つのアロマセラピー協会
IFPA(イギリス)
NAHA(アメリカ)
NAROHA(ニュージーランド)
の認定校となっています。
APAのディプロマコースを卒業するということは
上記3つの国際的なアロマセラピー団体にメンバー登録をすれば
協会認定アロマセラピストとして活動できるということです。
私がメンバー登録をしていたイギリスIFPA(International federation of professional aroma therapists)という団体を例にとってお話しさせてください。
IFPAは世界最高水準と言われる団体で、その審査基準の厳しさには定評があります。
協会設立式は2002年4月25日、英国の国会上院(貴族院)にて行われました。
その認定校となるためには、およそ100ページを超える資料の項目に合致すること。
既定のコース時間数など、そのレベルを高い水準に保つためのものを
全てクリアにしないといけません。
同じく、コースの受講者にも厳しい教育が待っています。
Teaching study 360時間、Self study 480時間、Total 840時間
(あくまでも最低ラインですから、とてもこんな時間では収まりませんが・・・)
学校側が求める水準を全て満たし、規定数のケーススタディをしてレポート提出。
最終的な審査を経て初めてディプロマを取得し卒業となるわけです。
その厳しい過程をクリアするのは容易ではなく
私のクラスでは10人でスタートし、卒業したのは私を含め2名でした。
まず前半はスクーリングによる授業とトレーニング。
教科を羅列すると・・・
化学
精油のキャラクター
解剖生理学
病理学
マッサージ
コミュニケーション
東洋医学
リフレクソロジー
その他の代替医療
ビジネスプラン
etc
目に見えないスピリチュアルな領域や
量子力学的なものを扱う「ジャーニー オブ ディスカバリ―」では
オーラを見る練習やペンデュラムの使い方などもあり
本当に多岐にわたったものです。
加えてスクールから提示される参考図書は数十冊に及びました。
哲学系、ヒーリング系、癒しとは?、人文学、スピリチュアリティ・・・
幅広い分野の書籍を集めるだけでも一苦労です。
厳しいトレーニングの全過程が修了すると
初めてお客様を外部からお呼びしてトリートメントを行う日がありました。
クリニックデイといって教室がアロマセラピーサロンとなる日です。
ここではお客様への接し方
トリートメント前後のコンサルテーション
マッサージ技術など
各教科のティーチャーがくまなく動向をチェックし
セラピストとして必要な全てを習得しているか?
お客様のお迎えからお見送りまでの全動向が採点されるのです。
緊張を超えて挙動不審になる仲間もいましたが
何があろうと落ち着いて接客する事が求められるセラピスト教育の現場です。
容赦なく審査に落とされるのも当たり前なのですよね。
カルテとレポートを記入するのですが
お客様の主訴に対しどんなアドバイスをしたか?
どんな精油を選び、その理由は何か?
トリートメントで特にフォーカスしたのはどこか?
このお客様の状態からどんな事が想像でき
どんな風にトリートメント計画を立てるか?
それはそれは細かく記入する必要がありました。
そこで合格が貰えなければ
その後に続くケーススタディーには進めません。
なぜなら、危ないからです。
アロマセラピーは人さまの身体に直接触れるトリートメントです。
症状や訴えに対して
的確な判断ができなければいけませんし
禁忌事項に触れる部分を見逃せば危険も伴いますから当然です。
施術中に何がおころうと
お客様の安全を確保するという事も徹底的に教えられました。
ここで合格して初めてケーススタディー(臨床)へと進みます。
少なくとも8名に対し、最低7回以上のトリートメントをし、カルテとレポートを書くのです。
心理的由来の不調、身体的な不調を持つ方を半分ずつ。
男性、中国医学的な観点からのアプローチ
キネシオロジー(筋反射)を使った精油選びを1名ずつ。
ケーススタディモデルにはそんな条件もありまして、中々厳しいものでした。
これは将来のセラピスト活動を想定したもので
トレーニング期間中に様々なタイプの方と
接しておくことができたのは有難い限りでした。
よく、西洋医学の分野ではエビデンスが必要と言われます。
補完医療として優れた療法を取り入れていくには
臨床例として沢山のケースを集めた上で
その有効性、有用性を訴えていくためにも必要なこと。
欧米ではその積み重ねをしてきた結果
医療の現場でも認められてきているようですから
やはりその水準はかなり高いと感じます。
卒業パーティーで校長が熱~く語ってくれた言葉をご紹介します。
「私はIFPA認定校の中で一番難しいカリキュラムを組んだと自負しています。
本当のセラピーを提供できる、本物のセラピストを育てるために敢えて厳しくしたのです。
ここでの厳しさを経験したら大概の事は大丈夫!
その全過程をクリアした自分に自信をもって世界で活躍してほしい!
貴女がたを心から誇りに思っているわ」
アロマセラピーの療法士となるための教育は授業だけではありません。
その過程で自身の課題とも次々向き合わされ、資質を問われる場面が何度も訪れます。
コース期間中に長年懸案だった離婚を決意したクラスメートもいましたし
仕事関係で大きな転換を迫られたり、皆一様にプライベートな問題が浮上しました。
私自身は長年に渡る駐在生活で疲弊しきっていたところからの浮上、
被害者意識との決別、母との境界線問題などとガッツリ向き合わされた期間でした。
自身がクリアでなければ、お客様をクリアに見ることは出来ませんから通るべき道なのですが・・・
全てが一気にくるわけですから、今振り返っても怒涛の日々でした。
ここでの教育は授業内容に加え
自分自身とどこまで真摯に向き合い続けるか?が肝であったなと感じます。
私は駐在員の妻という立場でしたから
夫に帰国命令が出れば私個人には在留許可もなく強制終了の可能性もあり!
任期は会社が決める事ですから常にドキドキでした。
最後の方は帰国に向けた引越し作業と並行し
四十肩とも付き合いながらケーススタディをこなし、レポートを提出。
最終審査は校長の計らいでケースレポートを口頭でさせてもらい、その場で合格を頂きました。
出国まで1ヶ月未満というギリギリのタイミングはきっと天の計らいだったのでしょう。
卒業生の多くが
「もう一度同じ事やれと言われたら卒業できる気がしない!」
と言いますが、私も同感です(笑)
今日はアロマセラピーの療法士がどんな教育を受けるのか?
補完医療が認められる欧米に拠点を置く団体の認定校とはどんなものか?
私自身の体験を元に書いてみました。
セラピストという職業は技術や知識だけ習得して終わりではなく
セラピーにかける熱意や深い洞察力など
総合的な資質も求められるものなのです。
そして、資格を取得してからが本当のスタートであり
一生勉強なのだとつくづく感じます。
今日もお読み下さり有難うございました。
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