『誇りをもつこと』
私は大学時代 実存心理学の学者であり精神科医であるフランクルの
『夜と霧』という本を読んで感銘を受けた。
極限の状態におかれた人間が何をささえにするかということに
当時から関心があったようだ。
私の父は、生きていれば90歳になろうかという古い人であった。
父は性格的に難しくて、食卓はおちつかないもので
エピソードは数知れず。
20代で起業し100人ほどの従業員がいた。
いなかの中堅都市だったので、ちょっとだけ目立っていた。
その父は、私が20歳過ぎの時、兄弟間トラブルで
突然仕事をやめた。
娘からみても相当なショックを受けていたことが
簡単に推測できた。
そんな時も父は決断が早く、自分のプライドを
守るより、家族の資産と人生に責任をもった選択をした。
そういう意味で、父は自分の人生に誇りを持っていたのだと思う。
どんな境遇に会っても
たとえ理不尽だと思われることで
自分の人生が思うようでなくなっても
自分を救うのは『誇り』だということを教えてくれた。
一言付け加えるならば
父は決して性格的にできた人ではなくて
個人の性格のいい面を伸ばすという発想は全くなく
とにかく言動が激しい人だった。