一生で一番大きな買い物と言われる「おうち」。心からほっとできる場所「おうち」。その選択基準は人それぞれ。SoLライターはどんな基準で、どんなおうちを選んだか。タイプ別にお送りします。
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新婚当初から戸建にこだわってきた。
マンションとは違う江戸間特有の間取りの広さ。豊富な収納。電気やガスに比べて経済的な灯油暖房に灯油ボイラー(当時はまだ灯油の値段が安価だった)。駐車場付物件が多く、駐車料金がかからないのも魅力的。
結婚したての頃は、戸建の二階に賃貸で住んでいた。一階は大家さん家族が住み、独立した二世帯家族のような作りだ。
前述の戸建の魅力をすべて満たし、都心部からタクシーで帰ってもお財布が痛くない距離。真冬の帰宅時、「あれ!ストーブつけたまま出かけちゃった!?」って勘違いするほど暖かい部屋に満足して、3年間住んだ。
すっかり戸建賃貸に味を占めた私達は、2年前から義祖父の所有する戸建に賃貸で住んでいる。本来は取り壊す予定だったボロ家。格安賃料と、自分達の自由にいじっていいというかわりに、管理もすべて自分達で行うという約束で。賃貸でありながら自己所有とかわらない自由さである。
押入れにポールを通してクローゼットにしよう。古い壁紙は明るい色に塗り替えて、一枚板のテーブルを中心にレトロモダンインテリアにしよう。
そんな希望を抱いて入居してみると、予想外の出来事の連続だった。
老朽化した家屋のいたるところから入り込む隙間風。雨漏り。ボイラーの不調にストーブの故障。ワラジムシ、クモ、名前のわからない虫などの招かれざる訪問者。放っておくとジャングル化していく庭の雑草。真冬には室内にも関わらず吐く息が白くなる廊下……。
サバイブ能力が低い私は、以前の賃貸では考えられなかったハプニングが起るたび、都度慣れない対処をしながら「こんなときに大家さんがいたらなあ~」と大家さんのありがたさを痛感するのだった。
それでも、この家には引き換えにできないものがある。
隣家に義祖父が住み、いつでもジジ孝行ができる最高の環境なのだ。今年の初めに自宅で義祖母が息を引き取った時も、一番に駆けつけることができたのは隣に住む私達だった。
この家がいよいよ住めない状態になって、次の住居を探すとき。
第一条件は「義祖父の家のそばであること」だ。
written by cheeco