このコンテンツでは好き勝手なことをつらつら述べていきます。カテゴリーもテーマも一切なく、独断と偏見で“アンテナ”に引っ掛かる事柄を自己発信。ゆる~い感じでおつきあいください。

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たしか小学生の頃、『稲川淳二の恐怖電話』というものに電話をして、怖い話をきいた覚えがある。内容はすっかり忘れてしまったが、電話口から稲川淳二の語る声が聞こえてきて、怪談を延々語るというものだった気がする。親のいない隙を狙って恐る恐る聞いたのに、噂ほどには怖くなかったのではなかっただろうか。


我が家は築50年の古い家だったから、あちこちに陰気な、死角のような場所があり、そこには決まって霊の気配があった。庭に面した縁側があり、その奥には決して開かれないドアがあった。使われなくなった納戸の入り口だと聞いたが、子供心にただひたすら怖く、決して近づかなかったことを覚えている。


子供部屋は二階にあり、私と妹は奥の部屋で寝起きしていた。押し入れの角にはいつも決まっておばあさんの霊が座っており、ただじっとしている。こちらを見ているという感じはなく、ただ静かにそこに佇んでいるのだ。


しかし時にお婆さんは出て来ることもある。寝ている布団の上を歩き回ったり、階段を昇り降りしたりするのだ。妹に至っては、そうとは知らず会話をしたこともあったらしい。


ある夜、二階から降りてきた妹が私の顔を見て顔面蒼白になった。どうしたと尋ねると、たった今、二階で私と話してきたと言う。


「寒いから窓閉めていい?」
「いいよ」


たったこれだけの会話だったそうだけれど。頭にタオルを被って二階へあがった妹は、気配を感じたので話しかけたが、窓を閉めたあとで振り返りもせず降りてきたのだと言う。そこで姉である私がいたのだから驚いた、というわけだ。


その窓は一体誰が開けたのだろう……と疑問に思ったが口にしなかったことを覚えている。妹があまりにも怯えていたせいだ。後にも先にも会話をしたのはその一回きりだったようだけれども、彼女にはその声が忘れられないという。


北海道の夏、今年はどうやらあまり暑くならないらしい。夏の風物詩である怪談話も寒々しさを煽るだけのような……。せめて夏らしくなってくれたらいいのに、と思いを込めてひんやり、昔話など思い起こしてみたのであった。


written by YUKAKO


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