結婚も、出産も、仕事も、「女」も。すべてを欲張りに楽しむSoLの女性たちが活躍するフィールドはさまざま。このコンテンツでは、キラリと輝く女性たちが、どんな仕事をしていて、どのようにキャリアを重ねてきたのか、実態に迫ります。
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■ベビーシッター 魚岸あや子さん
深夜、レンタルビデオ店でアルバイトをしていた5年前――。「一生続けられる仕事をしたい」。もともと子ども好きの魚岸さんがベビーシッターを志そうと決めた瞬間でした。
通信教育で資格を取り、活動を始めてから4年たった現在、スケジュール帳には仕事の予定がびっしり。ほぼ毎日休みなく、早朝から夜まで「ぜひ魚岸さんに」という親子のもとに駆けつけます。「困った時にいつでも来てくれて、自分の子をわが子のように世話してくれるベビーシッターがいたら」。それは、魚岸さん自身の思いでもありました。
魚岸さんの長女、長男は2人とも持病があり、小さい頃から入院することがしばしば。「片方が入院したら、片方は預けなければならない。来て欲しい時にいつでも来てくれる人を探すのに苦労しました」と振り返ります。
家計を助けるため、自宅でしめ縄作りの内職を始めたものの、忙しくて我が子をほとんど構えなかった日々。ある日、当時小学生だった長女が帰るなりランドセルをたたきつけました。「『お帰りって言っても下向いてばかりでこっちを見てくれない。お母さん、家にいるのにいないのと同じ!』。ただ一緒にいるだけじゃだめ、子供は親以上に深く受け止めている、と娘に気づかされたのが、今の仕事の原点になっているかもしれませんね」と魚岸さん。
レンタルビデオ店でのアルバイトを経て、ベビーシッターの仕事を始める時には、その娘さんと息子さんもチラシ配りに協力してくれたとか。今でも、「ネットで検索するのではなく、直接会ってPRした方が、ベビーシッターの存在をより多くの人に実感してもらえる」と時間があれば飛び込みで営業をかけているそう。
仕事のモットーは「子どもがいつもと変わらず、お母さんと過ごすような気持ちでいられること」。お母さんと離れて泣く子どもに対しても、「泣きたい時は泣いていい。泣くのは感情を解放すること。初めて会ったおばちゃん相手に自分の気持ちを伝えられるって素敵なこと。子どもの心理を学んでそう思えるようになりました」と話します。
最近は乳幼児の親子対象にミニ小児救急講座を開き、火傷や誤飲などの対処法も教えているそう。そして、自閉症など障害を持つ子を預かることもある魚岸さんは、いずれは障害のあるなしにかかわらず保育できるスペースを作りたいとのこと。「10年、20年、いつになるかわかりませんけど……パパちゃん(魚岸さんの夫)もそこでケーキを焼くんだ、って応援してくれているんですよ」と笑顔で教えてくれました。
■魚岸あや子さん プロフィール
1970年由仁町生まれ、江別市在住。専業主婦を経て、2004年にNIG公認ベビーシッター資格を取得、2005年から地元・江別や札幌などで、個人宅やイベントのベビーシッターとして活動中。その後、子どもの心に寄り添うためのBluewindsベビーマッサージティーチャー、チャイルドセラピスト資格、さらに小児救急のMFAチャイルドケアプラス国際ライセンス、L.S.F.A.-Children's FIRST AIDER国際ライセンスを取得、日々研鑽を深めている。夫と、高校生の長男、長女の4人暮らし。
魚岸さん共著のブログ「ありのままの家族のためにNatural Family
」
■魚岸さんのある日のスケジュール
04:30 起床、お弁当作り、朝食の支度
05:30 娘と一緒に朝食
06:20 仕事へ
08:15 帰宅、掃除や洗濯
09:30 別の仕事へ
13:00 帰宅、夕食の支度、次の日の準備や事務仕事など
15:00 また別の仕事へ
23:00 帰宅
家族と1日の様子を話しながらトランプをする
■ベビーシッターになるには……
個人のベビーシッターであれば、資格がなくとも仕事をすることはできるが、資格保有が条件となっている会社もあり、持っていた方が保護者からの信頼も厚い。保育士は、大学や短大の保育士養成課程を卒業していなくても、短大卒業以上であれば試験が受けられ、通信、通学の試験対策講座が数多くそろっている。また、全国ベビーシッター協会の認定ベビーシッター資格もあり、こちらも認定校で研修や実習を受けることで試験を受けられる。英国発祥の家庭保育スペシャリスト「チャイルドマインダー」という資格もある。
written by ズバーン、photo by ナオト