まだ会社勤めをしていた頃のことです。

出張でJR三島駅を利用する事があったのですが、
行くたびに、毎回立ち寄る場所がありました。


ひとつは、わさびやさん。 
もうひとつは、立ち食いそば屋さんです。 


電車の待ち時間に、
わさびやさんで
摩り下ろしわさびと
お土産を買い、 

改札脇の立ち食いそばやで、
そばorうどんをいただく


これが、出張時の私の、
ちょっとした楽しみでした。




そば屋さんは、
3名くらいが精一杯のカウンターが左右にあって、 
大人が6人も入れば満員になってしまう
小さなスペースでしたが

ここではじめておそばを食べたときのこと。 


店内には、私しかお客がおらず、 
お店のおばちゃんは少々疲れた様子で、
もくもくと片付けかなにかをしていました。 



私:「山菜そばください」 


おばちゃん:「山菜そばね」…「はいどうぞ」 


私:(お金と引き換えにどんぶりをうけとり、黙々と食べる) 






静かな店内でした。 





約10分後、 





私:「ごちそうさまでした~」
(空のどんぶりを返す) 


おばちゃん:「ありがとうございました」
(つぶやき&無表情) 


私:(外へでようと扉をガラリと開けた) 




その時、





「おやすみ!気をつけてね!」 





私の背中に、おばちゃんの声が。。。



思わず振り返ってしまうくらいの、
大きな大きな声。




お疲れオーラを漂わせていた
ちょっぴりシュールなおばちゃんの、
一体どこからこんな声が!と思うくらいの、 


元気で、そしてあたたかい声でした。




その後、私は三島駅へ行くたびに
そのおばちゃんに会いに行きました。


言葉を交わしたことはありませんでしたが、
そば屋にそのおばちゃんの姿を確認するだけで
安心して心が和みました。




あれから何年たったかな



今はもう
三島駅を利用することはありません。



でも

たったのひと言で
一日の疲れを吹き飛ばしてくれた
そのおばちゃんは


この先、もしまた、
三島に行くことがあったなら


必ず会いに行ってしまうであろう
私にとっては「特別なひと」です。 




いつかまた
「10分の再会」があったら、嬉しいな。



叶わないかもしれませんが

そう思うだけで、


おばちゃんに元気をもらえているような気がして
嬉しくなります。



私も、
心に暖かい言葉を残せるヒトに
なりたいと思います。