「幸せの条件」
幸せの条件をひとつだけあげるとしたら、
私は「勇気」とこたえます。
幸せとは、自分の弱い心に勝つことだと思うからです。
私の母は、3年前、癌でなくなりました。
4度の転移で、入退院を繰り返し、
認知症も発症しながらの闘病生活でした。
そんな母が亡くなる2カ月ほど前、ふと、こんなことを言ったのです。
「わたしはやっぱり、最期まで、笑って生きていくわ」
まるで悪巧みでもするかのように、瞳をくるりとおよがせて
「最期まで、笑って生きていく」 と。
もともと、生命力が旺盛で、よく話し、よく笑う母でしたが、
病気が進行していく中での不安や恐怖は、
周りにいる私達には想像もつかないほどのものだったはず。
もしかすると、いつも気丈にふるまっていただけに、
自分の弱さをみせられず、
人一倍の孤独とさみしさを感じていたかもしれません。
しかし、母は負けませんでした。
自分の人生の最終章を、どう飾っていくのか。
あとを託す子供たちに、何を残してゆくのか。
「死」の気配とともに迫りくる葛藤の中、
心を覆い尽くそうとする闇に立ち向かう。
その「勇気」が、「最期まで笑顔で」との決意に
表れたのではないか。
私は、そう感じています。
人は、環境や条件によって幸せになるのではない。
本当に幸せな人とは、どんな状況にあっても、
自らしあわせを作り出せる人。
相手の幸せ、周囲の幸せのために、
自らを幸せにしようと努力することができる人。
これが、母から私への、
最後の教育だったのかもしれません。
幸せに なりなさい
幸せで ありなさい
辛かろうと、悔しかろうと、その思いを「笑顔」や「感謝」に
変えゆく勇気をもちなさい
母から託された遺言
自分は不幸だと思いたくなるようなときこそ、
自分自身の悲哀に負けない心で
自分のために
大切な人のために
勇気を奮い立たせていきたい
そんなことを思う、今日この頃です。
