2022年2月19日(土)〜3月11日(金)の期間で、第17回日本整形靴技術協会学術大会(https://ivo-japan2021.com/)がオンラインで開催され、当協会より理事長の玉島麻理、理事の成田あす香が発表を行いました。
2人は、同大会の実行委員である森千秋さん(一般社団法人日本靴育協会)が主宰する勉強会に参加し、週に1回の指導を受けながら約半年に渡って研究・調査を進めました。
玉島の演題は「乳幼児期の運動発達と0歳からの足育の実践の関連について」で、高這いの経験がないまま歩行にいたる子どもが多くいること、足育を実践した子どもと一般の子どもでは四つ這いと高這いの運動発達の獲得に差があったことを発表し、子どもの健やかな足の成長には、保護者へ足育を啓発することが重要であると訴えました。
成田の演題は「足育の啓発活動は子育てに行動の変化をもたらしているか~講座を受講した保護者と一般の保護者の比較~」で、足育講座を受けた保護者はわが子が足に合わない靴を履くことを防ぐ行動ができていること、一般の保護者との違いは「知っているか、知らないかの差だけである」ことを発表し、地域に出向いての啓発活動の重要性を訴えました。
発表の概要を紹介いたします。
「乳幼児期の運動発達と0歳からの足育の実践の関連について」
玉島 麻理
(足育Lab Ta・Ta・Ta/ 特定非営利活動法人日本足育プロジェクト協会)
森 千秋
(一般社団法人日本靴育協会)
(発表の概要)
わが子の足趾の変形をきっかけに「足育」の活動を11 年前から開始しました。
乳幼児の親子を対象に「足育教室」を運営し、多くの足を計測する中で足趾の変形や扁平足の児は「はいはい」が少ない事が共通していると考えました。
そこで、発達の道筋である腹這い、四つ這い、高這いの獲得の有無を知る事と、0歳からの足育の実践が這う行動と関連する事を明らかにするため、一般と足育教室の保護者を対象に、乳幼児期の運動発達の獲得についてアンケート調査を行いました。
調査の結果、乳児期の運動発達の段階を飛び越えて歩行を獲得している子どもが一定数いることが明らかになりました。また、0歳からの足育の実践は、運動発達の獲得に有意差があることが明らかになりました。
乳児期の運動発達は個体差がありますが、0歳からの足育の知識を保護者が得ることは、その後の運動能力、土踏まずの形成、足底感覚を育めるのではないかと考えられます。

「足育の啓発活動は子育てに行動の変化をもたらしているか
~講座を受講した保護者と一般の保護者の比較~」
成田 あす香
(みやざき足育センター/特定非営利活動法人日本足育プロジェクト協会
森 千秋
(一般社団法人日本靴育協会)
(発表の概要)
足に問題を抱える子どもの増加が報告され、背景に子どもの運動量の減少や靴の不適合が指摘されています。
運動量の減少については多様な取り組みがある一方で、子育てに関わる人の多くは足の健康や靴に関わる教育を受けたことがありません。
これまでに、宮崎県内の子育て支援センターや保育園・幼稚園等で、8 年間に延べ4 千人へ足育講座を行ってきました。
今回、啓発活動の有用性を評価するため、講座を受講した保護者と一般の保護者にアンケートを行い、受講者が講座で学んだ内容を今も実践しているか調査しました。
分析の結果、講座を受講した保護者は、靴の選び方や定期的なサイズ確認、履き方などの行動習慣が身についていると分かりました。
また、一般の保護者は足と靴に関わる知識が不足しているために、無意識のうちに足のトラブルにつながりやすい行動をしている可能性があり、新たなアプローチも必要と考えました。
アンケートをとって読むだけでなく、データ分析することで、課題が見えました。
啓発活動の記録を残すだけでなく、客観的に分析し、評価することの重要性を感じていただければ幸いです。
研究の裏側を学ぶ「研究カフェ」を開催
4月9日には、足育アドバイザー®を対象に、今回の研究発表を題材に「研究」について知る「研究カフェ」を行いました。
研究指導をいただいた森千秋さんを迎えて、2人が発表に至るまでの道のりや、発表によって得られたことについて共有し、最後は「こんな研究ができそう」というところまで話が広がりました。
以上、第17回日本整形靴技術協会学術大会(https://ivo-japan2021.com/)における、当協会理事の発表についての報告でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




