エミール・ゾラの『制作』の表紙には、
象徴主義の画家ギュスターヴ・モローの《出現》が、
ガルシア=マルケスの『予告された殺人の記憶』には、
アンソールの《仮面の中の自画像》の一部がデザインされています。
もちろん、どちらも本編には直接は関係ありませんが、
時に名画は、古今東西の文学の名作の表紙に採用されがちです。
ということで、今回お届けするのは、
表紙にデザインされた名画から、名作文学のタイトルを当てるクイズ。
美術の知識と文学の知識、両方を必要とする激ムズクイズです。
1問でも正解したら、たいしたもの!
アート好き、小説好きの皆様、良かったらチャレンジしてみてくださいませ。
(問題が進むにつれて難易度は上がっていきます)
Q1 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
表紙に採用されているのは、スタンランによる、
アール・ヌーヴォー期を代表するポスターの1つ。
このモチーフそのままがタイトルの小説です。
正解は・・・・・・・
今回のクイズでもっとも難易度は低く、
もっとも名画と文学のイメージの親和性が高いです。
むしろスタンランのポスターは、
ポーの『黒猫』のために描かれたような気すらしてきました。
Q2 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
山種美術館が所蔵するマスターピース、
速水御舟の重要文化財《炎舞》の一部が大胆に採用された表紙。
実際の《炎舞》では蛾が燃えていますが、
文学作品のほうでは、あの建造物が燃えます。
正解は・・・・・・・
金閣寺の炎上と言えば、
実際の事件をモチーフにした川端龍子の絵も有名ですが、
そちらをあえて採用しなかったところに、センスを感じます。
Q3 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
表紙に採用されているのは、マグリットの《貫かれた時間》。
シュルレアリスムを代表する絵画の一つですが、
小説自体は、シュールな印象はまったくありません。
おそらくこの絵が採用された最大のポイントは、汽車。
汽車は小説でも重要な要素です。
正解は・・・・・・・
なんとなく気球で旅したイメージがありましたが、
実は、小説内には気球は一切登場していません。
気球が登場するのは、映画版。
小説では主に鉄道と蒸気船を乗り継いで、世界一周を目指します。
Q4 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
少女が主人公の小説ということで、
クリムトの《メーダ・プリマヴェージ》が採用されたのでしょう。
描かれた当時、モデルのメーダ・プリマヴェージは9歳とのこと。
なお、小説の主人公は7歳という設定です。
正解は・・・・・・・
上流階級から一転、極貧生活になっても、
誇り高く凜とした姿勢を失わない少女セーラ。
きっとその目力は、《メーダ・プリマヴェージ》並に強いことでしょう。
Q5 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
「デロリ」とした妖艶な女性を得意とした、
大正時代に活躍した異色の日本画家・甲斐荘楠音。
彼の代表作の一つ、《秋心》がデザインに採用されています。
この小説に登場する妖しく美しい女性は、
甲斐荘楠音が描く女性のイメージとピッタリ!
正解は・・・・・・・
あまりに親和性が高いので、
昔からこの表紙なのかと思いきや、
このデザインは2023年に初めて発売されたようです。
Q6 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
北欧のフェルメールとも称されるデンマークを代表する画家、ヴィルヘルム・ハマスホイ。
展覧会などでは、彼の絵は“詩情豊か”と紹介されがちですが、
僕個人としては、むしろその逆で、精神的な恐怖のようなものを感じます。
おそらくこの装幀をデザインした人も、
ハマスホイの絵に同じような感覚を抱いているはず。
正解は・・・・・・・
虫を使わずに、『変身』を想起させる秀逸なデザインですね。
ちなみに、アメリカのとある出版社から発刊された『変身』は、
表紙デザインにオディロン・ルドンの《泣く蜘蛛》が採用されていました。
Q7 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
バチカン教皇庁内の「ラファエロの間」を飾るフレスコ画、
《アテナイの学堂》の一部がトリミングされ、表紙に使われています。
このフレスコ画に登場するのは、
ソクラテスやプラトン、アリストテレスといった哲学者たち。
中央の人物の正体は・・・・・?
正解は・・・・・・・
フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』
こちらはドイツ版の『ツァラトゥストラはかく語りき』。
中央に描かれている人物は、ツァラトゥストラことゾロアスターです。
Q8 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
表紙を飾るのは、シベリヤ抑留の体験をもとにした、
いわゆる「シベリア」シリーズで知られる香月泰男の《運ぶ人》。
小説の主人公は、シベリア抑留の経験こそありませんが、
明治の世において、被差別部落出身への差別と偏見に葛藤しました。
正解は・・・・・・・
香月康男の作品を表紙にすることで、
重苦しい内容の小説であることが、十二分に伝わってきます。
Q9 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
「画壇の仙人」と呼ばれた熊谷守一の《赤蟻》と、
この小説に一体何の関係があるのか一つも思い浮かびません。。。
仙人と神様は、大きくカテゴライズすると同じジャンルに入るから?
正解は・・・・・・・
ちなみに。
この絵画は、豊島区立熊谷守一美術館の外観にもデザインされています。
Q10 この表紙の小説のタイトルは何?
(ヒント)
まもなく東京に巡回するゴッホの代表作中の代表作、《夜のカフェテラス》。
なぜ、この小説の表紙に採用されたのか?
考えても考えても、答えが出ません。
今回の中で最高難易度のクイズ。
結局のところ、ノーヒントの形になり、申し訳ございません。
正解は・・・・・・・
この傑作短編小説は、新約聖書のエピソードが下敷きなっているそうです。
聖書と言えば、ゴッホは画家になる前、伝道師を目指していましたね。
そういう繋がりなのかも。
さて、出題はここまでとなります。
皆さまは何問正解できましたか?
以上、『この表紙の小説のタイトルは何?クイズ』 でした。
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