年齢制限無し。サイズ制限無し。
2年に1度開催される現代陶芸の祭典。
それが、“菊池ビエンナーレ”です。
2004年の第1回より、副題は“現代陶芸の〈今〉”でしたが、
今回の第11回から、“陶芸の現在”へとリニューアルされました。
そんな新装開店1発目の第11回の入選作すべてが、
現在、菊池寛実記念 智美術館にて一堂に会しています。
第11回の応募総数は、過去最多となる452点!
そのうち入選作は、46点です。
前回、大賞を受賞した若林和恵さんの作品も、
入選を果たしていましたが、惜しくも連覇とはならず。
史上最大の激戦となった第11回。
その大賞に輝いたのは、中根楽さんの《境界の思考》でした。
オブジェのようで、巨大な器のようで。
そのどちらとも取れる、まさに境界を感じさせる作品です。
なお、授賞時の中根さんの年齢は、29歳。
20代の受賞者は、菊池ビエンナーレ史上初めてとのこと。
最年少チャンピオンの誕生です。
準グランプリに当たる優秀賞を受賞したのは、
オランダのへルミ-・ブルグマンによる《David XVIII》。
ミケランジェロの《ダヴィデ像》をモチーフにした作品です。
タイトルに“XVIII(18)”とありますが、
こちらはシリーズ作品のうちの1つとのこと。
すべて同一の型から作られているも、
シリーズの作品は、それぞれ欠損部が異なるのだそう。
不完全をテーマにしたコンセプチュアルな作品です。
続く奨励賞を受賞したのは、石田和也さんの《備前磁器壺》。
一見すると、普通の備前焼のようです。
いや、二見、三見しても、普通の備前焼にしか思えません。
ところが、タイトルをよく見て、その違和感に気が付きました。
《備前“磁器”壺》ってどういうこと??
備前焼は、言わずと知れた焼き締め陶器。
有田焼や九谷焼のような磁器ではありません。
石田さんは、備前市内の鉱山から、
自ら掘り起こした陶石で「備前磁器」を制作しているそうです。
見た目は陶器とそう大差はないので、
だったら普通に備前焼を作ればいいじゃん・・・と思わなくもないですが、
これからも唯一無二の道を突き進んで欲しいものです。
なお、奨励賞に選ばれた作家は、もう2人。
アメリカのレイ・ブラウンと、イギリスのダニエル・チャウです。
そう、入賞者5名中3名が海外の作家でした。
他にも、入賞こそしなかったですが、
セルビアのヴェリミル・ヴキチェヴィッチや
スペインのマルタ・アルマダなど、多くの海外作家が入選を果たしています。
実は第11回より、国外応募についての規定が変更になったそう。
それにより、国外からの応募の増加!
国外33の国と地域から86点も出品されました。
まさに、陶芸界の万博(←?)。
新生・菊池ビエンナーレは、国際的な大会へと変貌を遂げていました。
この結果を受けて、国内の作家が意地を見せるのか。
はたまた、海外作家が勢力図をさらに塗り替えるのか。
早くも第12回菊池ビエンナーレが楽しみです

ちなみに。
入選作の中にも、国内外を問わず、
印象に残る作品は多々ありましたが。
個人的に特に印象に残っているのは、
オランダのユリエル・カスピによる《Posthuman》。
ビビッドな黄色い色彩は置いておきまして、
その形は初めて目にするのに、どこか懐かしいような。
それも、自身の記憶というよりも、DNAレベルで知っている感じがしました。
何かしらの遺跡から発見された考古物と言われたら、信じてしまうかもしれません。
それからもう1点、印象に残っているのが、
坂爪康太郎さんによる《Poppo》という作品。
造形的にも可愛かったですが、
サブレを彷彿とさせる色合いも可愛かったです。
未来の鳩サブレとして、豊島屋が製品化しないかしら。















