年齢制限無し。サイズ制限無し。
2年に1度開催される現代陶芸の祭典。
それが、“菊池ビエンナーレ”です。

2004年にスタートし、今回でちょうど10回目。
そんな記念大会には、前回の279点を大きく上回り、
歴代でも2番目となる359点の応募があったそうです。
その中から厳選なる審査を経て、入選した53点が、
現在、菊池寛実記念 智美術館にて一堂に会しています。


359点の頂点、今回の大賞に輝いたのは、
若林和恵さんの《色絵銀彩陶筥「さやけし」》でした。

平安時代の料紙を思わせるような、
華やかで雅な気配をまとった陶筥です。
若林さんは第8回、第9回と入選を重ねてきたそう。
そして、第10回目にして、ついにチャンピオンの座に!
受賞おめでとうございます!
大賞に続く優秀賞を受賞したのは、
宇佐美朱理さんの《土環》という作品。
タイトルは、「土環」と書いて、「とわ」と読むそう。
「どかん」と読まないようお気をつけください。

色合いや佇まいは、どことなく、
バスキアを彷彿とさせるものがあります。
圧の強い作品です。
ちなみに。
そんな宇佐美朱理さんの実のお父様、
宇佐美成治さんの作品も入選を果たしていました。

こちらの色合いや佇まいは、どことなく、
パウル・クレーを彷彿とさせるものがあります。
なんとなーく、娘さんの作品のほうが男性的で、
お父さんの作品のほうがガーリーな印象がありました。
もしかしたら、『パパとムスメの7日間』のように、
2人の人格が入れ替わっていたのかもしれません(←んなこたぁない!)。
また、奨励賞は3人の作家が受賞しています。
1人目は、染付で鳥や魚といったモチーフを表現する小枝真人さん。
サヨリをモチーフにした斬新な染付で、見事受賞しました。
スピード感が感じられ、今にもこちらに迫ってきそうです。
外側だけでなく、内側にも描かれていることで、
サヨリの群れのボリューム感(?)がアップしていました。
2人目の受賞者は、腰越祐貴さん。
こちらの《おもう》という作品で受賞しています。
折れた斧もアマガエルも、陶で出来ています。
もちろん木製に見える球体も、陶製です。
そうわかった上で、改めて観ても、陶製とは思ませんでした。
そんな超絶技巧の持ち主ならば、さぞベテランだろうと思いきや。
1991年生まれの若手作家とのこと。
今後の展開が気になる作家の一人です。
3人目の受賞者も、腰越さんと同じ1991年生まれの波多野亜耶さん。
その受賞作が、こちらの《帰依》です。
縄文土器のような、古代中国の青銅器のような。
ベテラン感を通り越して、古代遺跡感(?)を醸し出していました!
なお、縄文土器を思わせる見た目ではありますが、
よく見ると、縄文土器よりも複雑な形をしていることがわかります。
数学のトポロジーの要素が作品に取り入れられているのだとか。
ある意味、伝統と革新が融合した作品です。
記念すべき10回目に相応しく、
ベテランや中堅から、若手の作家まで、
幅広い年代の幅広い作風が取り揃っていました。
今回奨励賞だった若手が次回は大賞に輝くのか。
はたまた、ベテランや中堅作家が意地を見せるのか。
それとも、また新たな新星が現れるのか。
次回の11回大会も楽しみです。
ちなみに。
受賞作品以外で、妙に印象に残っているのは、
石川県出身のやまわきてるりさんによるこちらの作品。
タイトルは、《いかりのぱわー ゆるしのぱわー》とのこと。
こんなのほほんとした表情なのに、
怒りと赦しのパワーを宿しているのですね。
どうでもいいですが、作品を目にした瞬間、
オリエンタルカレーのキャラが思い浮かびました。
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