思皇享多祐、無央。
(皇を思い多く享(すすめ)れば、を祐(たす)け、楽く央(つきる)無し。)
との思いで作られた元号は嘉永です。
 
嘉永という時代は多難な時代で
東海・東南海の巨大地震があったり、黒船が来たり、内裏が炎上したりで
すぐに年号を変え、巨大地震の名前は安政東海・東南海地震と名付けられています。
時代の変わる節目ではあったようです。
 
そんな時代に創業した弁当屋さんがあります。
日本橋 弁松です。

弁松の特徴は
いまでは見ることの少なくなった
経木とう言う薄い木で作られた弁当箱。

そして、味の濃さです。
健康志向の薄味に慣れてきている人が多いいまでは
「間違って味付けされているんじゃない」と言われることもあるとか
それでも、江戸の味を続けているこだわりです。
 
卵焼きと、魚、そして野菜の煮物
じっさいに食べてみると「甘み」を感じます。
甘さを支える、しょうゆに
それぞれの素材の旨味がかさなるような甘みです。
箸休めに食べる
しょうがの漬物の辛さが生きています。
若い時では楽しめなかった味です。

むかし、定年間近の会社の上司の言葉を思い出しました。
「昔は年行ったらつまんないだろうなと思っていたけど
いま、楽しいよ。30歳には30歳の楽しみが、
60歳には60歳の楽しみがあるよ。」
この味もそんなひとつのようです。
 
自粛の時に
近くのスーパーの弁当でみつけた
楽しみです