子のころ、夏になるとブドウ棚の下の、涼しげな場所を、クロイトトンボが舞っていた。


大きなオニヤンマもやって来たが、クロイトトンボと会える夏が、好きだった。


今は、木々の木漏れ日が柔らかな場所で、イトトンボがやって来てくれる。からだ中が、緑や青に光っている。静かに舞っているのを、ただ、見ている。


自生の花ばなに、蝶が来てくれる。

羽を閉じると白く、開くとルリ色なのは、男のルリシジミだ。女は、もっと目だたない。


他種にはこんな風にして、男がからだをはって、女を守る種が多い。


男のルリシジミは、何度も私のところへやって来て、静かに止まってくれた。


南の国から渡ってきた真っ赤な鳥のアカショウビンも、相手を求めて、美しい唄をうたっている。いまは、小鳥がさえずり会話している。


人間だけが、田んぼに空から農薬をまいたり、燃やしたらダイオキシンが出るものを作り、山村の人たちは、ゴミ袋が有料なので、せっせと有毒ゴミをもやし、ダイオキシンを出している。


昔は、草木の灰は大切な肥料になるから、山村の人たちは、大事にしていたのだ。


こうした習慣のある人たちの元へ、燃やせばダイオキシンが出るものを売るヤカラが悪い。


湧水がわく水場には、セリやミズ(ウワバミソウ)が生えている。それを日々のおかずにいただく。


人も生きもの。


他種を人災で苦しめずに、日々に、山川草木と生きていたい。