人身売買について知ることは、とてもつらいことだ。
1585年、肥後国(今の大分県)から日本人に誘拐され、ポルトガル人に売られた8歳の少年がいた。
後に彼は、ガスパル・フェルナンデスとなった。
16世紀の南蛮貿易や、キリスト教の伝来と、日本人奴隷が結びついていることを、今まで知らなかった。
日本人奴隷にされて海外に売られていった少女たちは、性搾取の対象だ。
中世の日本でキリスト教が禁止され、たくさんの殉教者が無惨に殺されたのと同時に、たくさんの少年少女が海外に売られ、奴隷にされた。
「貿易」とは、人身売買を含む取引だったのだ。
国内でも、旅芸人に売られる子どもたちの悲惨さを、東北の芸者さんの聞き書きで読んだことがある。
その芸者さんは小さな頃から歌唱にすぐれ、芸を極めたいと思ったが、旅籠を営む親御さんが、旅芸人に売られた小さな人たちの苦しみを観ていて、娘さんに、芸者の道をすすめたのだった。
聞き書きにこたえている芸者さんの地域では、芸は芸者さんが、性は女郎さんが担っていたのだという。
日本の芸能界での性暴力の歴史を考えると、こうした背景がみえてきた。
約400年前、徳川幕府は、全国各地に宿場を整備し、そこに遊郭を作る許可を出している。
長い長い間、少年少女は、おとなたちの性暴力の犠牲にされてきた。
21世紀の日本で、日本の芸能界で、苦しむ少年少女を救うのは、私たちおとななのだ。