実家に電話をすると最近は父が電話に出る事が多い。耳が遠くなった母は用事がある時に要件だけ一方的に話し、私の返事については父が同時通訳をしている



昨日も父が出ていつも通りの会話で始まる



「こうちゃん、元気にしている?」

「ありがとう、大丈夫だよ」



丁度、夕食を食べ終わったばかりの父が「今日は昔ながらのラーメンを食べたんだ」と言うので、即席麺の『昔ながらの中華麺』なのか聞くとそうだと言う



「どんな味があるの?」と聞くとと、「それがね、醤油味と味噌味、それから何だったか…」ともう一種類が浮かばず悩む父の向こう側から、「塩よ!」と母の声がする。その三種類があるようだ



以前は醤油味しか買っていなかったのだが、最近になり味噌味も食べるようになって、なかなか美味しいとか…



両親二人で一食を半分ずつにしているから、麺の量は丁度良いけれど、スープが足りないらしく、そこから父はラーメン奮闘記を語りだす



「汁が少ないから、今日はお昼の湯豆腐で余った昆布味のツユを足して、それだと味が薄くなっちまうから味噌を溶かしてね


ほいで、中にラードが入っているんだけどね、僕ぁ〜ラードは入れないでオリーブ油を入れるんだけど、ママはそれが嫌だって言うからラードを少し入れて


近所の肉屋で美味しい肩ロースの焼豚があったから、それも乗せてね、


そう考えると普通の麺だけを買ってきて、鰹出汁をとってやればいいしって思うんだよ


その内、鶏ガラスープを作るようになっちゃうかもよ!」



なんて話す父に「へえー!」「そうなの!」「手をかけてるね」など合いの手を入れる私



それから子どもの頃に家族で行ったサッポロラーメン屋さんで塩バタコーンが美味しかった話しで締め、



寒いから身体に気を付けてと言う決り文句で、その日は父のラーメン奮闘記で盛り上がり電話を切る



今日は即席麺を買ってこようかな照れ